石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の産油国でつくる「OPECプラス」は5日の閣僚級会合で、10月の原油生産ペースを現行水準から日量約10万バレルずつ減らすことを決めた。
これまで増産を続けており9月は日量10万バレル増産する計画だが、一転して減産に踏み切る。
世界経済の減速懸念を背景に原油価格は足元で下落しており、需要が当面は減ると判断した模様だ。
国際的な指標となるニューヨーク原油先物相場は6月に1バレル=120ドル超をつけた後、足元では90ドル前後まで低下している。
減産によって今後は原油価格が再び上昇に転じ、国際的な物価上昇(インフレ)圧力を強め、世界経済の減速要因になる可能性もある。
11月に中間選挙を控えたバイデン米政権は、国内のガソリン価格などを抑制するため、OPECプラス側に増産を要求していた。
しかし、OPECプラスは原油需給の緩和で価格の低迷が続くリスクを懸念し、減産を決めた。
米国は2022年1~3月期から2四半期連続でマイナス成長となり、景気後退入りの懸念が高まっている。
また、中国もゼロコロナ政策の影響で経済が減速しており、原油需給が緩む観測が強まっていた。
今回の減産には、OPECプラスの主要な構成国であるロシアへの配慮もあったとみられる。
主要7カ国(G7)は2日、オンラインでの財務相・中央銀行総裁会議で、ウクライナへ侵攻するロシアへの制裁措置として、ロシア産原油の取引価格に上限を設定することで合意。
ロシアの原油輸出収入を制限し、ロシア財政に打撃を与えることを狙っていた。
原油価格はこの先、大きく変動する可能性がある。
ロシアは6月以降、欧州向け天然ガスパイプライン「ノルド・ストリーム」の供給量を絞っており、8月末からは、タービンの油漏れなどを理由に供給を停止している。
ガス価格はすでに高止まりしており、需要期の冬に向け、原油への代替需要が高まり、需給が逼迫(ひっぱく)する可能性がある。
一方、イラン核合意の正常化に向けた交渉の行方次第では、原油と天然ガスの主要産出国であるイランへの経済制裁が解除され、同国産の原油が市場に出回ることで価格の引き下げ要因となる。
OPECプラスは新型コロナウイルス禍からの世界経済の回復に合わせ、21年8月以降は生産量を毎月、日量約40万バレルずつ拡大。
22年6月の会合では、7、8月の増産幅を日量64万8000バレルに引き上げた。
だが世界経済が景気後退局面に入る懸念や、増産余力が限界に近づいたことなどから、8月の会合では、9月の原油増産ペースを日量10万バレルと大幅に縮小することを決めていた。(毎日新聞)
ロシアがOPECプラスのメンバーである以上、この判断は予想できたはず。
日本のスタンスとしては当面の間、休止している原発を動かして、その間に次のエネルギーを模索すべき。
選択肢はかなりあるはず。
実用化に目途がたっているブルーアンモニア発電。
既得権者の権利を守りつつも地熱発電はすぐにでも開始すべき。
長期的な視野で考えれば核融合発電やメタンハイドレートもある。
国が予算を付けないこと。
それが一番のエネルギー問題かもしれない。