東京都心部を歩いていると時々その規模に圧倒される事がある。
どこまでも続く都心部はもはや都市の概念を超越している。
要は都心部が並列して多数並んでいる様なイメージだ。
一件便利そうに見えるこの街は、ビジネスには向いていると思うが、生活していくには少々、規模が巨大過ぎるような気がする。
片田舎育ちの自分からすると5万人程度の地方都市で暮らすのが一番幸せのような気がする。
そういう意味においては「コンパクトシティ」なる発想は賛同できる政策だと思う。
この「コンパクトシティ」とは市域内における市街地を郊外に広げず、中心市街地に集約して効率良く暮らして行こうとする我々シニア向けの都市政策なのだ。
この「コンパクトシティ」の政策が出てきた背景には、郊外型量販店やロードサイド店の台頭による街中心部の空洞化問題がある。
再び街の中心に生活インフラを集めて暮らしやすい街作りをしようというものだ。
日本では札幌市、青森市、仙台市、富山市、豊橋市、神戸市、北九州市などがこの政策に取り組んでいる。
ただ私見ではあるが、札幌市や仙台市、神戸市、北九州市などの政令指定都市ではもともとの規模がでかいため、実現可能なのかどうかは少々疑問に感じる。
そういう意味においてはコンパクトシティの取組を全面に打ち出しいる富山市あたりが他の自治体の参考になるのではないだろうか?
この富山市が「コンパクトシティ」を目指す要因の一つに少子高齢化がある。
高齢化率は全国水準より高い水準で推移しており待った無の状況だ。
また高い「持家指向」により市街地が「低密度化」している事。
自動車への依存度が非常に高いことなども要因にあげられている。
富山市では様々な対策を打ち出しているが、例えば駅北側に旧富山港線の富山ライトレールと駅南側に展開する富山市電を接続させて直通運転をさせる計画や貸出自転車の充実にも注力している。
つまるところドアツードアでどこまでシンプルかつリーズナブルに目的地に移動できるかにかかっている。
要は既存の交通インフラをどこまでカスタマイズできるかという事だ。
実際、富山市の地図を見ると富山駅を中心に扇の要のように鉄道が集まっている。
ある意味、地方都市としては恵まれているほうだ。
最近、やたらと街中の車の流れが遅くなったような気がしないだろうか?
あきらかに高齢者の運転する車が増えている。
高齢者の運転を悪いと言っているわけではない。
ただこの富山のようなコンパクトシティが増えれば、高齢者の運転する車も減るし、また不幸な事故も減るかもしれない。
この「コンパクトシティ」なる取組にはこれからも注目したいと思う。