歳を重ねると若い世代の言葉が気になってしょうがない。
自分は言葉は文化だから時代に合わせて変化するのは仕方無いと思っている。
そう言葉に関してはかなり理解がある方だと思っていた。
でも最近の若者の言葉を聞いていると理解が出来なくなってきている。
例えば「〇〇じぇねー」と尻上がりの会話があるが、言葉としての格好良さがまず感じられない。
横須賀弁と称された「〇〇じゃん」の変化系かと思いきやルーツはどうも北関東らしい。
また若い女性の「旨い!」という表現も非常に気になる。
自分が若い頃、女性とレストランに行って「このハンバーグは旨い」と言われたらドン引きしているだろう。
やはり女性には「美味しい」という言葉を使って欲しい。
そう思われているシニアの方は多いと思う。
そうそうレストランで思い出した。
今やレストランで日常的に使われているファミコン言葉がもっとも理解不能だ。
このファミコンとは「ファミリーレストラン」の「ファミ」と「コンビニエンスストア」の「コン」から作られた造語だ。
つまりファミリーレストランやコンビニエンスストアのアルバイト店員が日常的に使っている疑似敬語の事だ。
下手すると社員でも気にせず使っている人間がいるから呆れる。
代表的なファミコン言葉の一覧をあげてみる。
「5,000円からお預かりします。」とか「お支払はカードでよろしかったでしょうか?」などだ。
本人達はいたってまじめに敬語を使っているつもりだろう。
ところが聞かれている客は何とも言えない違和感に包まれる。
まず最初の「から」だ。
この「から」とはいったい何に掛かっているのか疑問だ。
また二番目の表現は現在進行形の会話のはずなのに、質問は何故か過去形になっている。
またコンビニでこんな表現を聞いた事ないだろうか?
「お弁当の方は温めますか?」というものだ。
この「方」とはいったいどの方角を指しているか?
お弁当を単品で注文しても聞かれる事がある。
たぶんにファミコン言葉は先輩アルバイトから後輩アルバイトへ自然に伝染していったのだろう。
ファミリーレストランやコンビニは大企業が多いが、さすがにアルバイトの言葉使いまでは干渉しなかったのかもしれない。
またファミコン言葉ではないが、最近の若い女性で初対面の人に次のような質問をする人がいる。
「私って〇〇じゃないですか?」
というものだ。
初対面の人に自分のキャラクターを疑問形で聞くのだ。
これを聞かれた初対面の相手は「はあそうですか」としか答えようがない。
会話のキャッチボールが鼻から成立していないというわけだ。
ただ冒頭でも述べた様に言葉は生き物だ。
これから数十年後、この耳障りなファミコン言葉が主流になる日も来るのかもしれない。