「グレージュ」とは何の事かご存じだろうか?
実は色を表す言葉だ。
語源的には「グレー(灰色)」と「ベージュ(薄い茶色)」の合成語だ。
この手の洒落た言葉は概ねファッション関係と思ってよい。
そうグレージュとは美容室のヘアカラーから派生した色なのだ。
色のイメージとしては比較的落ち着いたグレーだがベージュ色にも見える。
フォーマルにもマッチするおしゃれ感を醸しだせるという色らしい。
数年前のリクルートの「ホットペッパービューティー」のテレビコマーシャルを覚えているだろうか?
人気女優の有村架純さんが吉田羊さんから「髪切ったの?」と聞かれる。
そこで有村架純さんが答えたのが「ひし形シルエットグレージュほつれウェーブミディ」というもの。
ほぼシニア世代には若者の発する謎の呪文に聞こえたかも知れない。
この言葉の意味を簡単に説明すると
1.ひし型のシルエットにカットする
2.カラーリングはグレージュ色
3.ほつれウェーブのパーマをかける
4.くびれミディにする
という事らしい。
ちなみに「くびれミディ」とは「首周りの髪がふわふわっと巻かれているヘアスタイル」の事のようだ。
いやはや何ともあの一文でこれだけの情報が含まれているとは驚いた。
グレージュという言葉ひとつでカラーリングの情報は充分というわけだ。
最近、シニアの女性にもいろいろな髪色の方が増えてきている。
紫色など派手な色の女性を見かけるが個人の主張なのでそれをとやかく言うつもりもない。
そもそも自分は主張をしたくてもそのベースの髪の毛が枯れかけている状態なのだ。
ところで「色名」というのは生き物のようなものだ。
自分たちが幼い頃とはかなり様変わりしている。
例えば有名な色として小学校の頃、多用した「肌色」は現在のクレヨンや絵の具にはない。
現在は「ペールオレンジ」と呼ばれている。
日本人から見れば「肌の色」は確かにベージュかかった色だ。
しかしこれが差別に繋がるということで2000年あたりから文具メーカーが「肌色」を排除している。
ちなみに「pale」とは「淡い」という意味だ。
「淡いオレンジ」という意味になるがこれはこれで良い呼び方だと思う。
今後の「グレージュ」にとどまらず新しい色がでてくるだろう。
我々シニア世代も五感を通じて対応していくしかないだろう。
「ひし形シルエットグレージュほつれウェーブミディ」。
あなたはもう覚えてだろうか?