鉄道が好きな方によく使われるクイズがある。
「日本一高いところにある駅」はどこかという問題だ。
鉄道が好きな方ならまず答える事ができると思うがJR東日本の小海線の「野辺山駅」だ。
長野県南佐久郡南牧村大字野辺山に駅舎があり標高は1,345mになる。
日本の普通鉄道の駅としては日本一高い地点に位置することになる。
という事で今回はこの野辺山駅を有する「小海線」を紹介したいと思う。
コンセプトは時代の流れの「陰」と「陽」だ。
ポイントとなる地点は一世を風靡した「清里駅」、中間で新幹線停車駅となった「佐久平駅」そして終点の「小諸駅」になる。
「小海線」は「八ヶ岳高原線」という愛称がついている。
起点は中央本線の「小淵沢駅」で終点は前述のしなの鉄道(旧信越本線)の「小諸駅」になる。
「小淵沢駅」は長野県にありそうなイメージだが山梨県内になる。
「小淵沢駅」を出ると右にカーブしながら一気に八ヶ岳の東側山麓を駆け上がっていく。
さて一つ目のポイントは自分達が若かりし頃、一斉を風靡した「清里」だ。
このブームに火を付けたのはアンアン、ノンノなどの女性誌で俗にいう「アンノン族」だ。
駅前の商店街にはメルヘンチックな店舗が並び「高原の原宿」と言われたほどだ。
しかしバブルの崩壊とともに清里のブームは終焉を迎えた。
その清里も今は閑散としている。
「小海線」の「陰」の部分だ。
さて「陰」と「陽」の象徴である「小諸駅」と「佐久平駅」は合わせて説明した方が良いだろう。
小諸市は北国街道沿いに発達した小諸藩の城下町だ。
長野新幹線が開通して信越本線が途切れるまで特急電車がすべて停まっていた。
長野新幹線も小諸駅に停車する事は既定路線と捉えられていた。
ところがJR東日本は軽沢駅から南西にルートをとり小諸駅を北陸新幹線から外してしまった。
その原因は小諸駅付近の地形が厳しいためとか、懐古園の一部が削られるのを小諸市側が嫌がったとも言われているが真意は定かではない。
結局北陸新幹線は小海線の交点に「佐久平駅」が新設される事になる。
小海線に乗っているとわかるが区画整理が進み大型商業施設も誘致して沿線一賑やかな街になっている。
反対に新幹線誘致が失敗した小諸市は衰退が著しい。
都市の栄枯盛衰を数十分の間に垣間見る事ができる。
小海線の旅とはセンチメンタルな旅なのだ。