地方にお住まいの方でも武蔵小杉という街の名前を聞いた事があるだろう。
朝のラッシュアワーの際には改札入るまでに30分かかるとか。
昨年の台風で武蔵小杉の象徴でもあるタワーマンションが被害にあったあの街だ。
そもそもこの街は東京都内にはない。
隣接する川崎市にある。
ポイントは武蔵小杉の位置になる。
武蔵小杉駅は渋谷駅から横浜方面に伸びる「東急東横線」ちょうど中間地点に立地する。
「東急東横線」は関東大手民鉄路線でも一、二位を争うお洒落な街を走る人気の路線だ。
沿線には代官山駅、中目黒駅、自由が丘駅、田園調布駅など高級住宅地が並ぶ。
という事で高級化のバックボーンは少なからずはある土地柄だ。
そもそも武蔵小杉は中原街道(江戸と神奈川県の平塚を結ぶ街道)の宿場町だった。
その後、日本電気やキャノンなどが事業所を構えたが2000年以降の再開発によりマンションが立ち並ぶようになった。
そもそもこの武蔵小杉に何故ここまで高層マンションが乱立するようになったのか?
実はこの武蔵小杉の発展に寄与したのは鉄道インフラの集積だった。
武蔵小杉駅には前述の東急東横線の他にJRの横須賀線と南武線が乗りいれている。
横須賀線は東海道新幹線の停車駅である品川駅また東京駅を経由して千葉に至る路線だ。
神奈川県側は横浜駅を経て鎌倉駅、横須賀駅にと至る。
南武線の東側は川崎市の中心部である川崎駅に至る。
西側は東京都立川市にある立川駅に至る。
そして昨年、相模鉄道がJRに直通運転を始めた。
これが非常に複雑だ。
鉄道が詳しくない方にもわかるように簡単に説明してみる。
相模鉄道の西谷駅から新線を経てJR東海道貨物船に乗り入れる。
横浜市内の鶴見駅から南武線、横須賀線を経て渋谷駅、新宿駅はたまた埼京線にまで乗り入れてしまったというわけだ。
つまり武蔵小杉駅は東京に行くにも横浜に行くにもはたまた埼玉に行くのも便利な鉄道の要所になっているのだ。
実は鉄道路線網拡大はまだ終わりではない。
2022年には東急はさらに相模鉄道との直通運転を始める。
武蔵小杉の位置はJR東日本や東急電鉄、相模鉄道の思惑と合致したという事だろう。
ただ良い事ばかりではない。
南武線の開かずの踏切も問題になっている。
また武蔵小杉の急激な人口増加に保育園や学校が間に合わない。
過ぎたるは及ばざるが如し。
街の人気もほどほどが良いと思うのは自分だけだろうか?