遠い昔の独身だった頃、当時お付き合いしていた女性から独身暮らしの自分の部屋に電話がかかってくる。
電話を受けると「もしもし?わたし」と言ってくる。
そうその彼女が自分の姓名を名乗る事はない。
彼女にしてみればこの部屋に電話をかけてくる女性は自分しかいないので名乗る必要もないという事だろう。
ただ自分にしてみれば他の女性友達もいるわけで受話器の話相手が彼女に限定されるわけではなかった。
当時は受話器の相手の声を聴いて一呼吸間をおいて話相手を確認してから話しはじめたものだ。
そうこのような入り方をされると「会話のイニシアティブ(主導権)」を取られてしまう。
だから社会問題化している「オレオレ詐欺」が終息に向かうどころか被害が拡大している事は理解ができる。
老いた母親にしてみれば子供はいくつになってもかわいいものだ。
ましてやその子供が緊迫した声で「オレオレ」と電話をしたきたら動転した老いた母親は「会話のイニシアティブ(主導権)」を完全に取られてしまうだろう。
後は子供と思っている電話の向こうの男性の言うがままに行動してしまうことになる。
昨今の問題点は登場人物が複数いる「劇場型」で銀行では他人にばれやすいため、自宅においてある金を狙う傾向にある。
自宅にそれだけの金があるのか疑問だが、俗にいうタンス預金は日本国内に総額で43兆円あると言われている。
こうなると自宅に数百万単位でおいてある家も否めない。
現金の受けとり役である「受け子」と呼ばれる人間はほぼアルバイトで実行犯が一番捕まる可能性の高い犯行現場に出てくることはない。
この「オレオレ詐欺」については警察や自治体等が対策を練っているがなかなかこれといった特効薬がないのも事実だ。
ただそんな中この「オレオレ詐欺」の犯罪が少ない地域が存在する。
それは大阪だ。
もちろん大阪のおばちゃんパワーに圧倒されるところもあると思うが、一番の要因は言葉じゃないのかなと思っている。
下手な関西弁で電話をするとばれてしまうのではないだろうか?
また関西弁は商売に一番しっくりくる言葉とされている。
そう商売は「イニシアティブ(主導権)」の取り合いだ。
だから「オレオレ詐欺」の様な電話をしても逆に先方側に「イニシアティブ(主導権)」を取られてしまう。
仮に子供らしき人物から電話が来たらお国言葉で話すのも良いのではないだろうか?
何故なら普段から標準語を使っていてる子供でも親のお国言葉は理解できるからだ。