東京オリンピックを前に海外からの観光客が増えている。
非常に良い事なのだが受け入れる側の日本にその体制が整っているかは疑問だ。
例えばイスラム教徒が日本に来て一番困るのは食事の問題だ。
イスラム教徒は宗教上の理由から豚肉を食べない。
だからといって寿司屋は問題ないという事にはならない。
何故ならイスラム教徒は「ハラ―ル認証」を受けているレストランを探す必要があるからだ。
オリンピックを一年後に控えた日本は想像以上に食のグローバル化に関する問題がまだ山積みだ。
ということで我々シニア世代も現代の食文化の風潮にアンテナを張っておく必要がある。
昨今では「ビーガン(ヴィーガン)」なる言葉が使われ始めていることはご存じだろうか?
「ビーガン」を説明するにあたってあわせて「ヴィーガニズム」なる言葉も押さえる必要がある。
「ヴィーガニズム」とは日本語で「絶対菜食主義」となる。
一般的に言われる「ベジタリアン」の菜食主義と何が違うのだろうか?
ビーガンには四種類の解釈がある。
動物系の食材を一切食べないのが先ほどの「ビーガン」だ。
牛乳やヨーグルトなどの乳製品は食する「ラクトベジタリアン」。
「ラクトベジタリアン」にあわせて卵などを許容する「ラクト・オボ・ベジタリアン」。
さらに「ラクト・オボ・ベジタリアン」に魚を許容する「ペスコ・ベジタリアン」という分類だ。
要は「ビーガン」はベジタリアンの最上級位にいると覚えておけば良いだろう。
しかし言うのは簡単だがこれを日本で実践しようとすると前述の「ハラ―ル認証」と同じぐらいハードルが高いだろう。
例えばサラダにかけるドレッシングひとつにしても原料を遡って調べていく事になる。
かくいう自分も「トランス脂肪酸」にかなり神経質になっていた時期があった。
一説には先進国で「マーガリン」が認可されている国は日本ぐらいだと聞いたことがあったからだ。
という事でマーガリン入っている食品を避けていた時期がある。
でもそれはあまりにも無駄な作業であった。
現代の日本においてマーガリンを否定してしまうと食べるものが無くなってしまうのだ。
多くの菓子やパンはこのマーガリンが必需品になっている。
日本でもしビーガンを目指す人がでてきたらこれはかなり厳しい生活になると思う。
詰まるところ最後は「時給自足」しかないのかもしれない。