生活に身近な商品の値上げラッシュが止まらない。
食品や外食で値上げ表明が続出しているほか、他の分野にも同様の動きが広がっている。
企業にとっては原材料費や輸送費の高騰を受けたやむを得ない対応とはいえ、実施されれば家計に大きな負担がのしかかる。
消費者が生活防衛意識を強め、購入や利用を見送ることで、消費全体が冷え込む恐れもある。
「経験したことのないスピードで(コスト増が)進んだ」11日に行われたハウス食品グループ本社の決算記者会見。
浦上博史社長は、苦渋に満ちた表情で商品の値上げに踏み切る理由を説明した。
同社はこの日、主力の「バーモントカレー」を含む家庭用と業務用のカレールウやレトルト製品など479品目を、8月15日納品分から約5~10%値上げすると発表した。
企業による値上げの動きは昨年から続いてきたが、新年度に入っても一向に収まる気配がない。
人気の駄菓子「うまい棒」を販売するやおきん(東京・墨田)は、昭和54年の発売以来、初めて税抜き10円から12円に引き上げた。
回転ずしチェーン「スシロー」を展開するフード&ライフカンパニーズは9日に値上げを発表。
1皿の最低価格(税込み)は、最も安い郊外型店舗で110円から120円に上がり、59年の創業以来守ってきた「税抜き1皿100円」は姿を消す。
他の分野でも、ソニーグループが国内向け家電製品の出荷価格を引き上げたほか、日本航空はエコノミークラスの普通運賃などを値上げした。
近鉄グループホールディングス傘下の近畿日本鉄道は、27年間据え置いていた運賃の改定を国土交通省に申請中だ。
ファストフード「ケンタッキーフライドチキン」を運営し、6日に値上げを打ち出した日本KFCホールディングスの判治孝之社長は「企業努力だけでは(原材料費などの上昇は)解決できない」と苦渋の選択であることを強調する。
デフレマインドが強い中での値上げは、顧客離れを招く恐れがある。
食用油大手のJ―オイルミルズは、5回の値上げに踏み切った令和4年3月期の営業損益が、販売減のために平成16年の会社発足以来、初めて赤字に転落した。
しかし同社は「コスト上昇に追いついていない」として4月に再度引き上げ、7月にも実施する方針だ。
円安ドル高による輸入コストの上昇や、ロシアのウクライナ侵攻に伴う小麦や原油の価格高騰など、まだ価格に反映しきれていない要因もある。
先行きの不透明感も強まる中、値上げラッシュは収束どころか、加速する恐れもある。(産経新聞)
本日も買い物してきたが、あまり値上を感じる事はなかった。
これは店側の対策もあるのだろう。
競合店から勝つためにギリギリまで値上攻勢はしない。
でもいくら大手のチェーン店でも限界点があるはずだ。
ある日、突然棚から商品が消える前に少しずつ備蓄しておく事をお薦めする。