「お節」はここ数年、通販のヒット商品になっている。
通販で購入するお節は「中食」となる。
中食とはデパ地下やスーパーなどで購入してきて自宅で食べる食品をいう。
ちなみに外で食べるのはもちろん「外食」だ。
そして自宅で作る食事が「内食(ないしょく)」になる。
この中食はここ数年、流通業が非常に力を入れているカテゴリーだ。
その理由はずばり利益率が非常に良いからだ。
そこで単価も高く利益のとれるお節料理に各社がこぞって力を入れる事になる。
購入する側も「せめて正月くらい」という意識が働くのだろう。
各家庭の財布の紐も緩みがちだ。
そういつのまにかお節料理は作るものではなく買うものになっていたのだ。
核家族化が進み一家族あたりのおせちを食べる量が減っている。
従来の様に一からお節料理を作ろうとすると相当な手間がかかる。
そして少人数分を作るほうが結果として高いものにになってしまう。
お節料理が売れる背景には需要と供給のバランスが合致しているからだ。
そのお節料理だが各社とも夏前から作って冷凍して保管しておくらしい。
11月に注文を受けて作ろうにも食材の調達が間に合わないのだ。
いくら利益率が良くても大量の廃棄が出たら本末転倒だ。
メーカーの担当者は数字の読みが非常に難しいだろう?
ところでなぜ「お節」というかご存じだろうか?
そもそもお節の意味は何だろうか?
実は「節(せち)」という漢字は季節の変わり目を意味している。
特に三月三日、五月五日などの「五節句」は有名だ。
そこで供される料理が正月のおせちの原型になったとされている。
皆さんは何気なくお節料理という言葉を使っているがほとんど人がその意味を知らずに使っているのだ。
さてそのお節料理だが最近は中性脂肪や血圧の事が気になって、個人的にはあまり脂っこいものやプリン体が含まれるようなものは避けるようになった。
数の子などの「玉子系」にはまず手を出さない。
結局、お節料理を目で見て正月気分を味わって終了なのだ。
皆さんのお宅ではいかがだろうか?
それこそ3日の箱根駅伝の復路を見たらカレーが恋しくなっている。
お節料理がご馳走だった時代に比べて現代は選択肢の多い飽食の時代だ。
お節料理は季節の変わり目の祝い事ではなく、正月気分を味わうための料理になってしまったのかもしれない。
来年の正月はそんな事を考えながらお節料理を味わってみるのも良いだろう。