我々シニア世代の男子に懐かしいものといえばカルビー製菓(現カルビー)が販売していた「仮面ライダースナック」だろう。
このお菓子は甘いかっぱえびせんというイメージでお世辞にも美味しいという味ではなかった。(あくまでも個人の感想です)
多くの子供達がこの菓子に群がったのはお菓子の味ではなく「おまけ」としてついてくる「仮面ライダーカード」の存在があったからだ。
仮面ライダーや怪人たちのカードには通し番号が振られていた。
明らかに収集性を狙っており長期的は販売戦略が垣間見えた。
なかでもラッキーカードが出てくると子供達のボルテージはピークに達した。
何故なら「仮面ライダーカード」をストックできる「仮面ライダースナックのアルバム」がもらえたからだ。
カードを入れるアルバム欲しさにカードを集める。
まさにマーケティング的観点から見るとお見事なプロモーションだったと思う。
自分はそれでも足らなくて、文房具屋に行って「名刺フォルダ」を購入した事もある。
当時は「名刺フォルダ」メーカーも予想もしなかった特需があったのではないだろうか?
この手の戦略は「プロ野球カード」と似ている。
しかし「仮面ライダーカード」のブームは規模は「プロ野球カード」を遥かにしのいでいた。
近所の裕福な家庭の子供はこの「仮面ライダースナック」を箱買いしていた。
それも食べるわけもなくカードを抜いたら箱ごと空き地に捨てていると噂があった。
当時は日本中でこのような無駄な買い物が増えて社会問題にもなった。
大人になってみて冷静に考えれば印刷物と言う原価の安い商品に相当の価値を植え付けられたわけだ。
もちろん仮面ライダーの版権があるにしてもカルビー側の戦略はお見事というしかないだろう。
その後カルビーは急成長した。
もともとポテトチップは小池屋が先発だったが今やカルビーの国内シェア70%にも及ぶ。
一説には国内で生産されるジャガイモの10%はカルビーが購入しているとか。
「かっぱえびせん」から「仮面ライダースナック」と拡大してポテトチップでスナック菓子業界のトップメーカーへと登りつめた。
そう我々シニア世代が「仮面ライダースナック」を必死に購入してカルビーの成長に寄与したのかもしれない。
そういえばこの歳になると本当に欲しいものがわからなくなる。
我々シニア世代にとって仮面ライダースナックのアルバムに匹敵するものは何なのだろうか?