昨年暮れにJR東日本が山手線の品川-田町駅間に新設される新駅「高輪ゲートウェイ」を発表してから早一年。
今月には線路切り替え工事も終わり2020年春の開業を待つばかりとなっている。
山手線では30番目の駅でカタカナ混じりの駅名としては初となった。
ちなみに29番目の駅はご存じだろうか?
1971年(昭和46年)4月に地下鉄千代田線開業と同タイミングで誕生した西日暮里駅だ。
初めて山手線に乗車した際に日暮里駅との距離の近さに驚いた。
実際お隣の日暮里駅までは500mしか離れていない。
そうなのだ。
新駅はどうしても隣接の駅との距離が近くなってしまう傾向がある。
ところが品川駅-田町駅間は2.2kmもあり山手線内で最長区間となっていた。
高輪ゲートウェイ駅の場所はその中間地点に作られるために隣接の駅にそれほど接近する事はなさそうだ。
北側の田町駅まで1.3km、南側の品川駅までは0.9kmになる。
地方で暮らしている人には理解し難いと思うが都内ではほど良い距離感の駅だと思う。
鉄分が多い自分としては山手線の新駅誕生は大歓迎なのだが駅名に関しては少々納得がいかない。
カタカナ名は良しとしても「ゲートウェイ」という言葉がいまいちピンと来ないのだ。
「gateway」とは「出入り口」とか「入り口」という意味になる。
港区高輪の入口という発想で行くと「品川駅」だと思うのだが実はこれが違う。
たぶんにこの言葉は今後、JR東日本が仕掛ける駅周辺の再開発に絡んでいるようだ。
そもそも駅名自体は公募で行われている。
なんと64,052件(13,228種類)の応募があった。
その結果は1位が「高輪(8,398件)」で2位「芝浦(4,265件)」、3位「芝浜(3,497件)」、4位が「新品川(2,422件)」と「泉岳寺(2,422件)」だった。
上位の駅名は多くの方が納得のいくところだろう。
ちなみに採用された「高輪ゲートウェイ」は36件で130位という順位だ。
無論、得票数のみが採用基準では無いにしてもあまりにも酷い話だ。
半分以上の得票数だった「高輪」に投票した方は納得がいかないかもしれない。
実はこれもこの高輪ゲートウェイ駅の場所を考慮しての選考だったのだろう。
2020年の高輪ゲートウェイ駅の開業以後この周辺地域がどのようなビジネス街に生まれ変わるのか?
その時、JR東日本はこの駅名にして良かったと皆に言われる駅名にしたい。
その想いからこれだけの冒険をしたのだと自分は思いたい。