昨日もまた高齢者の事故があった。
神奈川県横須賀市で80歳の男性が運転する自動車が美容室につっこみ8人がけがをしている。
この80歳の男性は「過失運転傷害」の疑いで逮捕されている。
もちろんこの男性に悪気がなかったと思うが80歳の高齢で逮捕というのはあまりにも悲しい。
現在、75歳以上のドライバーがおよそ530万人もいると言われている。
日本の高齢化社会を実感できる数字だ。
また75歳以上の運転者に関わる死亡事故の構成比は12.8%、8件に1件は高齢者が死亡事故の原因または被害者になっていることになる。
もっとも恐ろしいのは自分の老化に気がついていない事だろう。
または気がついているのに認めたくないこともあるかもしれないと思う。
昨日も前を行く軽自動車がフラフラしているので少し距離をおいて走っていたら案の定、黄色車線を無視して進路変更をしてきた。
追い越しざまに運転手を見るとやはり高齢者の男性だ。
もはやこの方は交通法規を忘れているようだ。
先輩に対して非常に失礼だと思うが「免許返納の年齢」に達していると思う。
要はこの男性に誰が「免許返納」という引導を渡すかだ。
同乗している奥さんらしき女性はこの運転に驚きもしていない。
そもそも免許じたいを持っていないのかもしれない。
子供がいないご夫婦だとすると、この運転状況を把握している家族はいない。
結局、行政がこの引導を渡すしかないのだ。
そのためある程度の年齢になったらその見極め作業が必要になる。
なるのだがその年齢の線引きも非常が非常に難しい。
実際、判断力のある80代もいれば先ほどのように交通法規も忘れてしまった60代もいるからだ。
このあたりの設定が行政が一番悩むところかもしれない。
そしてもうひとつ年齢制限をつけるとしたらそれは強制保険も含めて自動車保険全般だ。
そもそも強制保険に入れないのだから車検も通らない。
万が一この保険を無視して運転して交通事故を起こしても保険がおりないのだ。
車がないと生活できない地域の高齢者には申しわけないがこれ以上高齢者の加害者を作るわけにはいかない。
問題はその足をどのようにして確保するかだ。
日本国民には「居住の自由」が憲法で認められている。
だから「便利な場所に転居してください」とは国家権力を持ってしてもできないのだ。
高齢者の免許返納は一筋縄でいかないような複雑な問題がはらんでいる。