「つくば市」という街をご存じだろうか?
関東地方の方は比較的ピンとくるかも知れない。
ただ関東以外の方だと関東地方というのはわかっても何県というのはピンと来ないのでは?
「つくば市」は茨城県にある自治体だ。
現在、人口は2015年の統計でおよそ227、000人。
茨城県内では県庁所在地の水戸(およそ270、000人)に次いで二位に付けている。
ただこの数字も2045年の推計では逆転されるとしている。
「つくば市」のこの五年の人口増加率は8.6%を誇る。
茨城県内では「つくば未来市(10.33%)」に続く第二位。第三位は守谷市ですべてつくばエクスプレス沿線が一人勝ち状態になっている。
このつくば市を一躍有名にしたのが1985年に開催された「つくば科学万博」。
そもそもなぜこの地が万博を開催できる都市になったのか?
1950年代過密化する東京の首都機能の一部(附属機関及び国立の学校含む)を地方に分散するための移転の検討にはいった。
1960年代にはその立地の利便性から筑波山麓に白羽の矢があたり研究学園都市への道を進むことになる。
主な移転機関は「つくば大学(旧東京教育大学」、独立行政法人国立公文書館、国土交通省国土地理院などがある。
その関係では市内に博士号を有する方がおよそ7、000人もいる。
このつくば市はもともと農地が広がる筑波郡谷田部町、大穂町、豊里町、新治郡桜村の三町一村の合併により生まれた。
その後筑波郡筑波町、稲敷郡茎崎町も編入され現在に至っている。
逆にいうとこれだけ広大な土地があったため大胆の都市作りができたのかもしれない。
実際、市内を車で走ってみると一般的な20万人口のレベルの街とは一線を画している。
北海道の札幌市などもそうだが国が都市を作るとこうなるのかという典型的な都市だ。
この元気なつくば市にとばっちりを受けている街がある。
それが県南の中心都市だったつくば市に隣接する「土浦市」だ。
実をいうと「つくば市」は東京秋葉原直結のつくばエクスプレスが開通するまでは陸の孤島だった。
ところが2005年につくばエクスプレスが開通するや状況は一変する。
土浦市の街中を車で走るとディーラーなどの「つくば移転の案内」が目立つ。
各企業も富裕層が多い「つくば市」に営業拠点をシフトしたのだ。
今まで土浦の都市圏だったつくば市は一気に逆転して、今では土浦市がつくば市の都市圏に組みこまれてしまったのだ。
「栄枯盛衰」これにあり。
やはりこれも時代の流れなのだろうか?