日本が韓国に対してホワイト国から排除して実質的に半導体の製造に使用される「フッ化ポリイミド」、「レジスト」、「フッ化水素」の化学製品3品目について輸出の手続きを現状より厳格化すると発表してから4日経った。
韓国では大騒ぎとなっている。
それもそのはず韓国のGDPの20%を有するサムスン電子の稼ぎ頭の半導体に影響が出そうだからだ。
洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相兼企画財政相はラジオで、「明らかに経済報復、国際法違反であり、撤回をしなければ対抗措置を取る」旨の発言をしている。
また韓国内では日本製品不買運動や日本旅行を中止する旨の呼びかけがされているが果たしてどこまで効果があるかは疑問である。
それでは韓国が日本に対して具体的に出来る対抗策とは何だろうか?
というか韓国にしか作れないものなんてあるのだろうか?
あえていうなら生産拠点が日本から海外に移転してしまったこの半導体のようなものだろう。
ただこの半導体は日本の得意分野のひとつであった。
だから製造装置も日本製だしフッ化水素などの半導体材料も日本が強いのだ。
いざとなったら国内回帰をすれば済む話だ。
また日本製品の不買に関しても一韓国国民レベルには関係のない話にも思える。
一時期中国で起きた対日本に対するデモで標的となった日本車も喉元過ぎれば中国で大変売れている。
もともと感情が高ぶり易い中国、韓国人にとって冷静になれば結局品質の良い日本製品に回帰するだけなのだ。
韓国側が具体的にできる対抗策としてWTOへの提訴だがこれもかなり厳しいだろう。
そもそも日本側はホワイト国から排除しただけで輸出をしないとは一言も言っていないのだ。
審査を厳重にするのは安全保障上の観点からだ。
実は今回の一件にアメリカ側が沈黙を貫いている。
アメリカ側ももちろん今回の報復は早い時点で知っていたと思う。
今のアメリカにとって韓国は西側陣営というよりもレッドチームに近い。
韓国が貿易で依存している中国には何も言えないのを知っているのだ。
今回アメリカは西側諸国にファーウェイ排除を求めているがその中で韓国は中国との板挟みになっている。
サムスンにとってファーウェイは半導体の最高の顧客であるからだ。
今回の日本政府の韓国への輸出規制は裏がかなり深い。
米中貿易戦争の代理戦争の様相も呈している。