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シニアのための現代用語備忘録

エトセトラ

坂の街 東京

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坂の街と言えば、長崎や尾道を思いだす。

概ね海岸線の反対側に山が迫っていて、住宅地がどんどん坂の上に広がっていくという流れだ。

よく宅配便の配送員が背負子で運ぶ姿なども紹介され、山の上から広がる街の雄大な景色とは対照的に坂の街の生活の苦労がうかがえる。

若いうちは良いが、高齢になるとしんどいイメージがつい湧いてしまう。

ところで地方の方にとって、東京は東京湾に面したどこまでも続くフラットな土地のイメージをお持ちかもしれないが実をいうとかなり起伏の多い土地に形成された街なのだ。

東京を歩いていると『谷』という地名にやたらと遭遇する。

皆さんがご存じのところだと市ヶ谷、四谷、茗荷谷、そうそう渋谷などはもっと有名な「谷」がつく地名だ。

その他にも入谷、下谷、松が谷、谷中、雑司が谷、神谷、谷原、千駄ケ谷、富ケ谷、幡ケ谷などなど東京(江戸)には谷にまつわる地名が非常に多い。

東京は丘陵地帯に放射状に拡大したため、谷に街道が形成されていった。

「谷」がつく地名が多いのはそういわけだ。

さて東京に来た際には、ぜひこの坂の街のイメージを実感してもらいたい。

それもすごい身近なところで実感できる。

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秋葉原の総武線ホームは地上3階にある。(山手線、京浜東北線が2階部分にあたる)

この総武線で新宿方面に向かうと僅か数百mでお隣の御茶ノ水駅の地上1階のホームに到着する。

江戸の下町と駿河台の高低差を実感できるポイントだ。

また駅の北側には大都市東京とは思えない崖も存在する。

太古の神田川はかなりの深い渓谷だったと思われる。

と言っても江戸時代は、江戸城はこの川を利用して外堀としている。

江戸城はこの水路を利用して広大な水豪を構築している。

そこに架けられた橋や門が現代に至るまで地名として残っている。

例えば水道橋、赤坂見附、虎の門、御成門、桜田門、半蔵門などだ。

地下鉄銀座線に乗って終点の渋谷駅に向かう。

表参道まで青山通りの地下を走ってきた銀座線が渋谷駅の手前で突然、地上3階に出てくる。

渋谷がその名のごとく谷の街である事を実感できるポイントである。

地下鉄が山手線や埼京線の上を走り渋谷駅の一番高い位置に入線する。

重力が働いているのかわからないが、若者はこの「すり鉢状」の底に吸い寄せられてくる。

そこにはお隣原宿とは一線を画す大人のファッションの流行が生まれ、IT企業も多く集まる流行発信地だ。

東京の坂の街には不思議と人が集まる。

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