2020年の東京オリンピックに向けて東京都に頭の痛い事がる。
それはメダルの金属が確保できていないという事。
もちろん潤沢な税収のある東京都がオリンピックのメダルを作れないわけがない。
実をいうと東京都はこのオリンピック用のメダルを使わなくなった携帯やデジタルカメラ、パソコンなどの基盤から回収しようとしている。
いわゆる「都市鉱山」だ。
要は環境にやさしいオリンピックを目指すという大義名分があるからこの「都市鉱山」にこだわっているわけだ。
全国の携帯電話会社に回収ボックスを設置して呼びかけてはいるのだがなかなか集まらない。
もちろんここまで来たら何がなんでもリサイクルにしないと格好がつかないから新品を混ぜるわけにもいかない。
そもそも何故こんな事になってしまったのか?
実をいうと日本の都市鉱山にはかなりの埋蔵量があるらしい。
金がおよそ6,800トン(世界の埋蔵量のおよそ16%)、銀は60,000トン(世界の埋蔵量のおよそ22%)と日本もなかなか捨てたものではないのだ。
だから安易に必要分が集まると勘違いしてしまったのかもしれない。
東京オリンピックでは金銀銅合わせて5,000個のメダルが必要になる。
5,000個のメダルを作るにあたり金が42kg、銀が5,300kg、銅が2,700kgが必要なようだ。
銀が極端に多いのは金メダルにも使われるかららしい。
という事で一番足らないのは銀だ。
回収の期限は来年3月という事でこれは最後は学校や企業などにも声がかかる事になるだろう。
思わず戦時中の「金属類回収令」を思いだしてしまった。
最後は国民の鍋まで回収した。
東京オリンピックは国の威厳にかかわるイベントだ。
政府から「緊急デジタル機器回収令」がでたら笑ってしまう。
しかし日本の都市鉱山の埋蔵量には驚かされた。
都市鉱山はさておき純粋に日本の鉱山で潤沢にとれる資源は限定される様だ。
それはズバリ「石灰」。
つまりセメントのことだ。
国内に500億トン程度あるらしいが何分にもそこまで建設需要がない。
最近、話題になっている「メタンハイドレート」が国産で賄える次世代のエネルギー資源のなるのだが、メタンハイドレートの採取方法の確立にはまだまだ時間がかかりそうだ。
日本の都市鉱山における推定埋蔵量60,000トンの1/10の5,300kgを集めるのに大騒ぎになっている。
都市鉱山はやはり都市鉱山なのかもしれない。