5月1日、アメリカの老舗ギターメーカーであるギブソン・ブランズが連邦破産法11条(日本の法律でいうところの民事再生法)裁判所に申請したようだ。
ギブソンが危ないという噂は以前から聞いていたけど、ついにこの日が来てしまったようだ。
ギブソンはアメリカのテネシー州ナッシュビルにあるギターを専門としているメーカーだ。
自分は若い頃からギターを含めた楽器に接していたのでこのニュースは非常に残念だ。
ギターを弾いていた人でギブソンを知らない人はいなかったと思う。
皆が憧れのメーカーだった。
古くはエルヴィス・プレスリー、エリック・クラプトン、カルロス・サンタナ、ジェフ・ベック、ジミーペイジ、ジミーヘンドリックス、ジョン・レノン、ジョージ・ハリスンまた日本でもB’zの松本孝弘など有名ギタリストがギブソンを愛用している。
シニアの皆さんも当時、ビートルズやベンチャーズに憧れてギターを始めた方が多かったのではないだろうか?
そう自分達の時代はギターなどの楽器が弾けることが一つのステータスだった。
指の先が固く角質化しようと、「F」や「B♭」を押さえられてコードが弾けた時の感動は忘れられない。
ところが今の若者にはそのステータス感がなくなったようだ。
もちろん今でもバンド活動に勤しんでいる若者はいるが、どうだろう、昔と比べてかなり減っていないだろうか?
歌う事はカラオケボックスで事足りてしまう。
ましてや一人で寂しく歌う必要性も無いというところだろうか?
今彼らの感性の主張の場は音楽ではなく、言葉であればツイッターなどのSNSであり、画像であればインスタグラム、動画であればYoutubeなのかもしれない。
自分はこの流れを特に寂しいとは思わない。時代の変化だと思っている。
とかく「自分の若い頃は良かった」と自慢げに話をされるシニアの方がいらっしゃるが、皆概ね幸せな青春を過ごしてきているのだ。
だから今の世代の価値観は認めてあげるべきだ。話を戻そう。
ギブソンは債権者3分の2以上の了解を得て再建支援に向かっている。
楽器製造事業を継続されるそうだからまずはひと安心だ。
ただ若者のギター離れは甚だしいから今後もイバラの道が待っているのは変わらない。
今後、日本も含めたいろいろな業種の老舗メーカーが同じ道を辿る事になるだろう。
余力のある時に早い方向転換をできた企業が次の100年も老舗メーカーとして生き残るだろうと思う。