母子二人が亡くなった池袋の傷ましい事故からはや一年が経とうとしている。
事故を起こしたのは旧通産省の元役人である飯塚幸三。
この事故の直後、全国で立て続けに交通事故が起きた。
神戸市のバス運転手にしても、滋賀県大津市の保育園児事故の当事者のドライバーについても即日で逮捕になっている。
だから飯塚幸三の逮捕も時間の問題と思われていた。
ところが一向に逮捕に進まずマスコミ「元院長」という肩書をつけて報道する有様。
その間にネット上では元官僚だから逮捕されない。
上級国民という言葉が一人歩きを始めてしまった。
警察側の逮捕しない言い分は「逃亡や証拠隠滅の恐れがないため」としている。
でもそれは神戸市のバス運転者も同じではないだろうか?
明らかに警察の動きが鈍い。
上級国民はやっぱりいるようだ。
と思っていた矢先の先月6日に東京地検によって過失運転致死傷罪で在宅起訴された。
在宅起訴?
またしても上級国民扱いのようだ。
起訴までに一年もかかっている。
その一年の間に飯塚幸三の周辺の人間の動きは速かった。
マスコミが報道しなくてもネット上では情報が飛び交っている。
まずは自宅の電話番号を変更している。
そして本人のFacebook、ツイッターのアカウントが削除されている。
グーグルのストリートビューでは自宅にモザイクをかける。
Wikipediaの編集ページをロックする。
また経済産業省の勲章贈呈ページが削除されている。
明らかに多くの人間が彼の名誉を守るために動いている。
上級国民はやっぱりいるようだ。
ただ人間としてこれで本当に良いのだろうか?
自分のプライバシーを守る前にまず被害者に手を合わせて欲しかった。
当初、「上級国民」なる言葉がでてきた時にはネットの世界は少々行き過ぎていると感じていた。
ただ一連の動きを見ているとまんざら大袈裟でもないような気がしてくる。
飯塚幸三は当初、警察の任意の捜査に「ブレーキを踏んだが利かなかった」といっている。
でもメーカー立合いの警察の捜査でも車の異常性は認められなかった。
そもそもブレーキに勝るアクセルなどメーカーが作るはずがない。
元通産相の役人でもメーカー側が忖度する事はなかったというわけだ。
今後どのような判決がおりるかは不明だが、年齢や持病を盾に刑が軽減されるのだけは勘弁してほしいものだ。