およそ地方に住んでいる方にとって東京を中心とした首都圏の朝の混雑ラッシュは想像を絶するものになるだろう。
近郊から都内に向かう電車は都内に入る前にすでに満員状態。
およそ3,800万人を擁し世界一とされる東京の都市圏人口。
その大移動が僅か数時間のうちにさして問題も起こらずに行われている事に驚かされる。
とはいえ電車の中のサラリーマン達はすでに戦っている。
会社の最寄駅に着くころにはもうヘトヘトになっているというわけだ。
ということで皆さんなるべく「痛勤」は避けたいということで交通の利便性のある地に住居を構えようとする。
現在、首都圏でもっとも人気があるのは間違いなく神奈川県川崎市の武蔵小杉駅周辺だろう。
武蔵小杉駅にはJR東日本の南武線、横須賀線、湘南新宿ラインの3路線が乗り入れている。
また東急電鉄の東横線と目黒線の2路線も乗り入れている。
東京駅にも新宿駅にもそして渋谷駅にも横浜駅にも利便性は抜群だ。
ところがこの武蔵小杉駅が朝の混雑が現在大変な事になっている。
朝のラッシュアワーの時間帯には改札を抜けるのに駅の外まで行列が出来ている。
その原因のひとつに乱立する「タワマン」の存在がある。
「タワマン」とはもちろん「タワーマンション」の事でおよそ20階を超えるマンションの事を指している。
少ない面積に高層階のマンションが建てば人口の過密を生むことは誰でも容易に予想できる。
人気の「タワマン」が朝の武蔵小杉の混雑を助長しているのは皮肉な話でもある。
それでも東京駅までおよそ17分、新宿駅までおよそ22分、横浜駅までおよそ13分という利便性には代えがたいものがあるのかもしれない。
ところで人気の「タワマン」だがここに来て少々翳りが見えてきたようだ。
そのポイントになるのが低層階マンションに倍以上になるといわれている「大規模修繕」の費用だ。
15年程度を目安に必要になってくるのがマンションの「大規模修繕」だ。
紫外線や雨風による外装の修復や給排水設備のメンテナンスなどがメインとなる。
多くのマンションが管理組合で入居者から「修繕積立金」を徴収してその時のためにプールしている。
しかし今後先行き不透明な経済状況の中で高額な「修繕積立金」を滞納してくる世帯が必ず現れてくるはずだ。
比較的富裕層が多いと言われている武蔵小杉でも決して安泰ではないだろう。