およそ一般の会社に正社員としてお勤めの方にはあまりピンとこないかもしれないが、厚生労働省は各県の「最低賃金」を毎年10月に改定している。
特にここ数年は国の方針なのかもしれないが結構あがっている。
アベノミクスの一環で賃金をあげることにより消費者の購買力をあげるというものであるが、ここに来て特に中小企業の経営者から悲鳴があがり始めている。
そもそも大企業はまだしも中小企業に景気の恩恵が届いているとは考え難い。
むしろ景気は悪化しているのではないかと思うぐらいだ。
そこにこの「人手不足」が拍車をかけている。
人手を確保するために無理して最低賃金より高く時給を設定する。
売上を何とか維持できても利益が増えないのが現状じゃないだろうか?
それではこの10月からの最低賃金はいくらになっているのだろうか?
賃金の右側のカッコの数字は昨年設定された最低賃金だ。
数字は厚生労働省の資料から拾っている。
都道府県名 最低賃金時間額【円】
北海道 835 (810)
青 森 762 (738)
岩 手 762 (738)
宮 城 798 (772)
秋 田 762 (738)
山 形 763 (739)
福 島 772 (748)
茨 城 822 (796)
栃 木 826 (800)
群 馬 809 (783)
埼 玉 898 (871)
千 葉 895 (868)
東 京 985 (958)
神奈川 983 (956)
新 潟 803 (778)
富 山 821 (795)
石 川 806 (781)
福 井 803 (778)
山 梨 810 (784)
長 野 821 (795)
岐 阜 825 (800)
静 岡 858 (832)
愛 知 898 (871)
三 重 846 (820)
滋 賀 839 (813)
京 都 882 (856)
大 阪 936 (909)
兵 庫 871 (844)
奈 良 811 (786)
和歌山 803 (777)
鳥 取 762 (738)
島 根 764 (740)
岡 山 807 (781)
広 島 844 (818)
山 口 802 (777)
徳 島 766 (740)
香 川 792 (766)
愛 媛 764 (739)
高 知 762 (737)
福 岡 814 (789)
佐 賀 762 (737)
長 崎 762 (737)
熊 本 762 (737)
大 分 762 (737)
宮 崎 762 (737)
鹿児島 761 (737)
沖 縄 762 (737)
全国加重平均額 874 (848)
ということで概ね昨年の3%増しぐらいで設定されているようだ。
最高額は東京都の985円で最低額は761円の鹿児島県になっている。
その差は224円にもなる。
北海道が東北に比べて突出している。
人口の大半が住む札幌市が押し上げているのかもしれない。
もちろん賃金が上がれば労働者が喜ぶだろうが、果たしてその賃金に見合う労働を提供しているかは甚だ怪しいと思う。
だから高すぎる「最低賃金」は会社経営上は非常に問題になる。
実をいうと韓国の最低賃金はこの2年で30%もアップしている。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領が選挙で掲げた公約が最低賃金1万ウォン(およそ1,000円)だ。
今や韓国の最低賃金は東京よりも高いのだ。
韓国のGDPは日本のおよそ1/3だ。
これにはIMFなどからも警告がでている。
金を高くすれば景気がうまく回るという理屈もわかるがもうすこし社会全体を見ていく必要があると思う。