昨年12月30日に日本を含む11カ国が参加する環太平洋パートナーシップ協定(TPP)が発効された。
発効の要件は署名11ヶ国のうち過半数である6ヶ国が批准(国内承認)だ。
日本の他メキシコ、シンガポール、ニュージーランド、カナダ、オーストラリアの都合6ヶ国が承認にこぎつけたわけだ。
ベトナムも今月には発効の予定でマレーシア、チリ、ペルー、ブルネイの発効も時間の問題だろう。
人口規模でおよそ5億人の自由貿易園の成立する事になる。
中国やEUの経済圏にも匹敵する。
今後も「TPP Eleven」の他にタイが加わる可能性がある。
またかなり流動的になってきたがイギリスが合流する可能性もある。
イギリスEU残留の可能性もあるので現段階では何ともいえないだろう。
ところで日本はタイがTPPに加盟を推進している。
実はそこにはTPPの経済効果が期待できるからだ。
タイは日本の自動車メーカーにとって東南アジアの生産の一大拠点でもある。
本来は日本で生産された自動車の部品をタイに送るとなると関税がかかることになる。
ところがTPPが発効されると同じ自由貿易圏内なので課税されないまま輸出ができる事になる。
そしてタイで生産された自動車が課税されないまま日本に逆輸出も可能になる。
これは他の業種にもあてはまるだろう。
アパレル業界は脱中国化がすすみベトナムあたりが繊維生産の一大拠点になる可能性がある。
まさにこれが日本にとってのはTPPの経済効果だ。
ただ良い話ばかりというわけではない。
ご存じの通り問題は安い農産物が流入する事だ。
事実、年明けから早速、大手流通が牛肉やチーズの価格の引き下げを始めている。
でもここは日本の農業生産者も守りに入ってはいけない。
特にリンゴなどの高付加価値果物で攻勢にでるべきだと思う。
問題は常温輸出ができる米だ。
現段階ではアメリカがTPPに参入していない。
しかしアメリカのTPP参入は時間の問題ではないだろうか?
安いカリフォルニア米が入ってくる事への対策は必要だ。
そのアメリカといえば現在のところ保護貿易に必死だ。
確かにアメリカは大消費国家である。
多くの国がアメリカへの輸出でその恩恵を受けて来たことも否めない。
でも世界最大のGDP国が内にこもっているは良くない。
アメリカがTPPに復帰する事を歓迎したい。