2009年にUAE(アラブ首長国連邦)のバカラ原子力発電所建設を韓国が受注した。
日本やフランスも入札に参加、大方の見方ではフランスが最有力候補だったが、大番狂わせで韓国が受注した事に、日本のマスコミも「日本の技術力が低下した」などと大騒ぎになった。
さて、技術的にも決して日本やフランスに及ばない韓国が受注できたのか?
これには当時の李明博政権のUAEに対する大盤振る舞いがあった事が後に発覚した。
公表された条件は
1.原子炉186億ドルのうち100億ドルの融資
2.原子炉稼働事故保険60年保証
3.故障時の修理回復保証
4.運転、燃料供給等の完全管理
5.原発の韓国軍による駐留警備 等々
というものだ。
なんと、製造を受注した側が、費用の半分を融資するというわけのわからない契約から始まり、世界的な認識として「30年」とされる原発の寿命に60年の保証とつけてきた。
これには、当初、製造を受ける予定であった日本の東芝も大騒ぎになり、受注を辞退、更に東芝が降りた事により、保険を請け負う予定だったロイズも降りてしまった。
これってほぼ無保険状態であの怖い原発受注した事になる。
さて、ここに来て工事遅延に伴う、違約金の問題もでてきている。
2015年9月以降、UAEが支払う毎月の工事の0.25%を韓国は支払う事になっている。
毎月の工事費は概ね200~300億ウォン(およそ6、000万円)の無駄な違約金が生じ続けているらしい。
韓国の原子力技術はお世辞にも高いとはいえない。
国産を目指しながらも頼るのは海外の技術だ。
またここに来て文政権は「脱原発」を唱え始めた。
これはUAE側も納得のいく話ではない。
どうもこの国は「日本がやっているからオリンピックをやる」など対日本的なライバル心からUAE原発受注をした感が否めない。
だがUAE原発は受注後に後は野となれ山となれでは済まない状況下になってしまった。
中東で絶大なる力を持つUAEを敵にまわしてしまうと石油輸入にも赤信号が点灯しかねない。
また気になるのが、5の「原発の韓国軍による駐留警備」の件だ。
どうも具体的な契約内容は、単なる原発周辺の警備ではなさそうだ。
どうも中東有事の際には韓国も派兵させる内容になっている事がわかってきた。
これって原発受注の見返りとしてはあまりのもリスクが大きくないだろうか?
現在は北朝鮮との融和で話題はそちら一辺等だが、今後、韓国とUAEの関係について興味深い展開になりそうだ。