「リースバック」とは何の事かご存じだろうか?
「リースバック」とは簡単に説明すると現在お住まいの住宅をリースバック業者に一旦売却する。
その後その住宅にそのまま住み続けて家賃を払っていくというシステムだ。
住みなれた家で生活する事ができ老後の家の処理を心配しなくて良いので非常に理想的だ。
人生において一番高い買い物は「住宅」と言われている。
裏を返せば「終活」において一番高い売り物も「住宅」という事になる。
ただし都内の一等地に住んでいれば問題はないが地方都市や田舎の住居では数十年済んだ建物にはほぼ資産価値はない。
買い取り価格に関してはあまり期待しないほうが良いだろう。
田舎の土地では売買さえ期待できない可能性がある。
子供が家を継いでもらえればベストである。
ただ都心部に出ていった子供が田舎の家に戻ってくる可能性は限りなく低い。
かといって自分が亡き後、愛着のある家がスラムになるのも心苦しい。
という事で「リースバック」は理想的な不動産の処分方法に見えてくる。
しかしこの「リースバック」なるものに死角はないのだろうか?
まず前述の通りこのシステムは都心もしくは地方都市でも市街地にお住まいの方が対象になると思われる。
買い手が付かない土地の所有者は少々厳しいかもしれない。
次に「不動産買い取り価格の安さ」だ。
最悪の場合、売却後10年で赤字になる可能性がある。
ここでいう赤字とは売却した金額が毎月リースバック業者に支払う家賃の総額を下回った時から持ち出しになるという事だ。
健康で長生きが理想の老後だと思っていたが長生きをすることより住宅費用が赤字になり生活が困窮してしまっては本末転倒である。
その他のリスクとして運営する「リースバック業者の倒産」がある。
仮に契約しているリースバック業者が倒産に至った場合リース契約している物件が債権者に移管される。
契約期間内であれば転居を求められる事はないかもしれない。
ただ契約期間が過ぎれば後は事業を継承した企業の自由である。
最悪、転居をする事になるが高齢者が賃貸物件に入居する事は至難の業である。
リースバックとは非常に合理的なシステムだと思う。
しかしかなりのリスクがあるのも事実。
子供がいる世帯ならなるべく住宅の処分は次の世代に任せるのが理想なのかもしれない。