兵庫県姫路市にある姫路駅の新幹線ホームには外国人が溢れている。
彼らの目的は新幹線だ。
それも乗車するのではなく高速で通過する新幹線の見ることなのだ。
信じられない方はYoutubeで「himeji shinkansen」といれて検索してみてほしい。
彼らが投稿したと思われる動画がアップされている。
もちろん世界遺産として「姫路城」の存在も大きいと思う。
「姫路城」を見学した外国人が駅で見た新幹線がSNSや口コミを経由して広がっていったのであろう。
現行、新大阪方面から来る下りの新幹線は姫路駅の手前まで最高速度を時速270キロに制限されている。
ところが姫路駅の少し手前からこの速度制限が解除されて時速300キロに達するのだ。
さすがにホームで目の前を時速300キロで通過する鉄道を外国人は見たことがない。
この異様な風景は観光スポットになるのも理解できる。
ところで東京駅から新大阪駅まで東海道新幹線の最高速度は時速285キロに制限されている。
なぜなら東海道新幹線は初めてのルート設定でありカーブが非常に多い。
ところが山陽新幹線の時代になるとトンネル掘削技術が進歩して土地の取得に難がある場合には市街地を避けて直線のトンネルで延伸してきた背景がある。
例えば神戸市付近は明らかに神戸市街地を避けているのが地図を見るとわかる。
新神戸駅だけちょこっとトンネルを抜けてあとは六甲山の下をほぼ直線でトンネルが進んでいる。
広島県内の良く見てみるとそのほとんどがトンネルである事がわかる。
山陽新幹線は全体のほぼ半分がトンネルの中を走っている。
だからその風景をゆっくり見ることもままならないのだ。
という事で山陽新幹線は時速300キロを出せるというわけだ。
しかし姫路駅をのぞみが通過するというのも寂しい話だ。
姫路駅といえば乗降客数一日およそ51,700人。
JR西日本管内で14位につけている。
関東でいえばその位置関係からも大宮駅のような存在だと思っていた。
現在、姫路駅には東京行きのぞみが18本停車、そのうち3本は姫路駅が始発だ。
しかし姫路駅を通過する上りの「のぞみ」、「みずほ」(鹿児島中央駅発新大阪駅行)78本もある。
通過する新幹線が多くて観光客が増える。
何とも皮肉な話だがここはやはり観光客ファーストでのぞむしかないだろう。
「のぞみ」が姫路市の「望み」を叶えるだろう。