上野駅から北側の二つ目に日暮里駅がある。
山手線、京浜東北線そして常磐線の停まる駅だ。
この駅の北側の改札を出た道路の反対側に線路を見下ろす事ができるスペースがある。
鉄道に興味が無い方でもここから見える風景は見ごたえがあるはずだ。
それは並列した路線の数にある。
山手線、京浜東北線、宇都宮線(東北本線)、高崎線、東北北陸新幹線、常磐線、そして京成線が並行して走る様は大都市、東京ならでは風景だろう。
初めて地方から東京に来た人は圧倒されてしまう。
朝夕のラッシュアワー時は山手線と京浜東北線が満杯の客の積んで並行してホームに入ってくる。
11両編成の山手線と10両編成の京浜東北線が数分単位でだ。
さてこの京浜東北線だが少々不思議な電車だ。
実をいうと京浜東北線は独立した路線ではない。
北側の大宮駅から東京駅間は東北本線の一部であり、東京駅から横浜駅は東海道線の一部、そして横浜駅から根岸線に入って大船駅が終点になっている。
つまり京浜東北線は線路を借りて運行している格好なのだ。
実はこの発想は山手線にも使われている。
田端から東京駅間は東北本線の線路を借りている。
東京駅から品川駅間は東海道線の線路を借りているという扱いになっている。
どうも杓子定規で官僚的な扱いだがいたしかたない。
そしてこの二路線には上り下りの概念が無い。
京浜東北線は東京駅を中心に運行している関係上、大宮方面に向かう電車は「北行き」で大船方面に向かう電車は「南行き」になる。
そもそも都心部を環状運転する山手線には上り下りの付けようがない。
だから時計と反対まわりが「内回り」で時計まわりが「外まわり」となるのだ。
普段、何気なく乗っていると気がつかないかもしれないが運行している側はいろいろと考えているのだ。