子供の頃から鉄道が好きだった。
「何鉄?」と聞かれると答えるのに困る。
特に車両に興味があったわけではない。
鉄道という「移動手段」が好きだったのかもしれない。
ただ周囲から路線が集まるターミナル駅を見ると胸をときめいたような記憶がある。
例えば岡山駅だ。
中国地方の中心都市は広島市だが、鉄道だけを見ると中国地方の中心駅は岡山駅だ。
新幹線が岡山駅に近づくと中国地方のローカル線がどんどん寄り添ってくる。
これぞターミナルという典型だ。
ということで駅への思い入れはかなりあるほうだと思っている。
そう「鉄ちゃん」の分類でいうところの「駅鉄」に入るのかもしれない。
そこで昨今気になっている駅が栃木県の宇都宮駅だ。
宇都宮駅はターミナルと呼ぶには少々乗り換えが少ない駅だ。
特に地方の方には宇都宮市のイメージがあまりわかないと思う。
宇都宮市の人口はおよそ52万人の栃木県の県庁所在地だ。
行ってみればわかるが街の規模はそれなりに大きい。
乗降客数はおよそ37,000人(1日あたり)はJR東日本管内で119位だ。
一見119位と聞くとずいぶん少ないイメージもある。
ただJR東日本は首都圏(特に都内)には大規模駅がごろごろしている。
都内からの距離を考えるとかなり立派な数字だ。
2016年3月の北海道新幹線開業に伴うダイヤ改正で最速タイプである「はやぶさ」は大宮駅を出ると仙台駅までノンストップになってしまった。
これは由々しき問題。
もちろん宇都宮市側もJR東日本側にかなり働きかけたが現在まで実現にはいたっていない。
ところでなぜ北海道新幹線が宇都宮駅を無視したのか?
そこには新幹線に課せられた「4時間の壁」があるからだ。
一般的に新幹線と飛行機を選択する場合に所用時間で4時間がひとつの基準になる。
たとえば羽田空港まで行く時間プラス余裕を見ると2時間、そして飛行機の時間プラス目的地の空港から市内まで所用時間2時間のトータル4時間ならなんとか新幹線側に軍配があがるとされているからだ。
ただこの時間を超えると多少怖くても飛行機を選ぼうという意識が働くとされている。
現行、北海道新幹線は函館北斗駅までおよそ4時間30分程度かかっている。
仮に札幌駅まで延伸できても現状のままでは赤字になるとされているのだ。
だから宇都宮駅は通過という立場になってしまったのだ。
現状JR側は時間短縮に必死だが最悪の場合、札幌駅最速到達を目指して、大宮駅、仙台駅通過もでてくるかもしれない。
そう考えると北海道新幹線は本当に必要だったのだろうか?