思い返せば今年「平昌五輪」が行われていた。
開催が危ぶまれていたが何とか無事に終える事ができた。
その際にブームを起こしたのがカーリング女子のLS北見の活躍だ。
それはカーリングのプレイもさることながら試合中にかわされる「そだね」という北海道弁のやりとりにあった。
ところでその「そだね」が2018年の「ユーキャン新語・流行語大賞」に年間大賞に選ばれた。
なかなか微笑ましいことでこれに異論を唱える方は少ないのでないだろうか?
ただ北海道全域で使っているのかという少々違うようだ。
そこで札幌出身の友人に聞いたところではちょっと違和感を感じるとの事だ。
実はLS北見の正式名称は「ロコ・ソラーレ北見」という。
北見市は北海道の中でもオホーツク海に近い北東にある街だ。
人口がおよそ12万の都市だが、北海道の原野を走っていると北見市クラスの都市はとてつもなく大きく感じる。
都市機能が整う都市としては日本の北限だと思われる。
ところでこの北見市は札幌から直線距離でおよそ250kmも離れている。
さすがにこれだけ離れていると札幌市と同じ方言になるとは思えない。
東京から250kmといえば、静岡県や福島県あたりになる。
言葉は完全に変わってくる。
どうも彼女達が使っている言葉は道東方面で言われるところの「浜言葉」の様だ。
カーリング女子のLS北見のメンバー(本橋麻里、藤沢五月、吉田夕梨花、吉田知那美、鈴木夕湖)五人の出身地は皆、北見市(ただし吉田姉妹と鈴木は旧常呂町出身)という事だ。
幼い頃からこの道東の「浜言葉」が染みついているのだ。
しかし聞けば聞くほど心地よい響きだ。
今後も試合ではぜひ使って欲しいと思う。
この20年ぐらい前から地方のホテルに泊まって朝のテレビ番組を見ていると、東京のキー局が番組を仕切っている事が実感できる。
東京の文化はファションだけではなく、言葉もかなり地方に浸透させているようだ。
若い世代への影響は非常に強く地元の方言や訛が敬遠されていくのは非常にさびしさを感じる。
「そだね」という方言が「ユーキャン新語・流行語大賞」になったのは非常に良いことだと思う。
今一度、方言や「お国訛」の素晴らしさを認識する転機になってのではないだろうか?
LS北見は現在、アメリカに試合遠征中との事でアメリカの会場で「そだね」の言葉が心地よく交わされていると思う。