「私鉄沿線」といえば新御三家の一人「野口五郎」のヒット曲を思いだす。
我々シニア世代にとってはとても懐かしい曲だ。
ところでこのこの「私鉄沿線」という響きは地方の人にはどのように映っているのだろか?
厳密には現在JRも私鉄になっため現在、旧の私鉄は「民鉄」と呼ばれている。
ただ今回は名曲「私鉄沿線」に敬意を表して「旧の私鉄」を「私鉄」として呼ぶ事にする。
ところで地方の方にとって「私鉄」とはどんな位置づけだろうか?
名古屋や大阪、福岡あたりの都市圏は別として「私鉄」とは、地元のJRに接続する郊外型電車のイメージではないだろうか?
だから料金もJRより割高だ。
ところが東京や大阪などの都市圏の「私鉄」は料金もスピードもかなりJRと争っている。
例えば関西圏はJRと軒並み競合しており京都-大阪間は東海道線と「阪急京都線」、「京阪本線」が凌ぎを削っている。
また大阪-神戸間も東海道線と「阪急神戸線」、「阪神電鉄本線」が平行している。
ところが東京といえば競合しているのは総武線と「京成本線」。
東海道線と「京浜急行線」ぐらいで後はうまくかわしているように配置されている。
とにかく東京は四方八方に線路を引いているので競合がし難い構造に感じる。
さて話を戻そう。
東京には「下町」と「山の手」という概念がある。
もちろん「下町」とは足立区、葛飾区、江戸川区、墨田区、台東区あたりのイメージだ。
逆に「山の手」というと渋谷区、世田谷区、目黒区、大田区あたりのイメージになるだろう。
ヒット曲の「私鉄沿線」はどちらかといえば「山の手」だ。
超私的感覚でイメージすれば主人公は渋谷で働いており「東急東横線」で通勤している。
自宅といってもアパートがあるのは「自由が丘駅」でここで彼女とお茶をしたのではないかと推測する。
「自由が丘駅」付近の花屋の花がこの歌に似合う。
これが下町を走る東武鉄道の「北千住駅」や京成電鉄の「青砥駅」ではしっくり来ないのだ。
超私的と表現したが、当時この曲が発売されて売れていた頃、都内に住むほとんどの方のイメージがそうだったのではないかと思っている。
そう都内において「私鉄」とは位置関係にもよるが高級住宅街をイメージさせてくれる。
これが地方の「私鉄」と違うところだと思っている。