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潜伏キリシタンとは

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「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が6月にバーレーンの首都マナマで開催されるユネスコ世界遺産委員会で正式に決定されることになった。

地元は大喜びの事だと思うが大方の方は、その事実よりも「潜伏キリシタン」という言葉に反応しているのではないだろうか?

かくいう自分も初耳だった。

歴史教科書は新たな事実が発見されるとその都度内容が修正されているとは聞いていたが、あまりにも唐突だったので驚いたしまった。

辞書で「潜伏」を調べてみると「人に見つからないように隠れひそんで出て来ないこと。

病気に感染後、症状が現れていない状態」などの意味がある。

どちらかというと犯罪者などが逃亡している時やウイルス感染の潜伏期などのネガティブなイメージが付きまとう。

「隠れキリシタン」だとどちらかいうと幕府の弾圧の中、自分の信心を貫き通したポジティブなクリスチャンというイメージが強かったような気がする。

ところが調べてみると「隠れキリシタン」という言葉も残っており、完全に「潜伏キリシタン」との意味の棲み分けが出来ていた。

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つまり従来、自分達が歴史で習ってきた「隠れキリシタン」は「潜伏キリシタン」という呼び名に変わり、1873年(明治6年)に欧米の圧力により、キリシタン禁教令が解かれた後も、日本の仏教や神道などとも結びついた独自の発展を遂げたキリスト教を密に信仰する人達の事を「隠れキリシタン」としているのだ。

ところでにキリスト教が伝来したのが1549年に日本に来たフランシスコ・ザビエルによるものだとされている。

ただここに来て、フランシスコ・ザビエルの来日の目的がキリスト教の布教活動だけではなかった説も出てきているようだ。

要は日本の植民地化だ。

その手っ取り早い方法がキリスト教の布教というわけだ。

実際、豊臣秀吉はその状況下に危惧を抱いて、1587年に「バテレン追放令」を出している。

しかしその後も九州地方にはキリシタン大名まで現れ、あまりにも危険と感じた幕府が「鎖国」へと舵を切ったわけだ。

現代の中東の紛争を見ているとつまるところ、キリスト教とイスラム教の争いでもある。

宗教とはつまるところ「陣取り合戦」の意味あいもあるのかもしれない。

当初、「鎖国」は江戸幕府の愚策とも思っていたが、日本を欧米からの侵略から守った「妙策」だったわけだ。

先人達の知恵には脱帽だ。

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