コンビニ経営の限界が危惧されて久しい。
コンビニの飽和点はとっくに過ぎているのに普通に営業しているのも変な話だ。
その実情はオーナーが過酷な環境の中、少ない収入に悲鳴をあげながらも働き続けているからだ。
ところでコンビニの飽和点とは何だろうか?
まずそこからご説明しよう。
一般的なコンビニ一店舗あたりの商圏人口は3,000人と言われてきた。
ただしこの数字はコンビニ発祥当時の理論であって現在にあてはまるかは少々眉唾を感じる。
一応今回はこの数字を使って計算してみる。
単純計算をすると日本の人口がおよそ一億2,000万人なのでそれを商圏人口の3,000人で割ると40,000という数字が出てくる。
つまり日本国内の人口規模から考えるとコンビニの適正数は4万軒ということになる。
そこで現在のコンビニ大手4社の店舗数を見てみよう。
セブンイレブンが2020年1月末現在で20,964店舗。
ファミリーマートが2019年2月末現在で23,814店舗。
ローソンが2019年2月末現在で14,659店舗。
そしてミニストップが2020年1月末現在で1,999店舗となっている。
コンビニ大手4社の店舗数の総数は61,436店舗になる。
つまり当初の想定店舗数の1.5倍のになっている計算だ。
これを逆に考えると一店舗あたりの商圏人口は減っていることになる。
日本の人口一億2,000万人をコンビニ大手4社の店舗数の総数61,436店舗で割る。
その商圏人口は1,953人で当初の想定の65%に減ってしまった事になる。
現在のコンビニの過当競争を実感できる数字だ。
結局一店舗あたりの日販にも相当な影響を与えているだろう。
対策はただひとつ。
コンビニの減少しかないだろう。
でもそんなことを言い出すコンビニ本部などはない。
何故ならいくら店舗が増えても自分達には痛くも痒くもないからだ。
コンビニのフランチャイズ契約はあくまでも粗利に対する課金だ。
廃棄ロスは店舗負担だからコンビニ本部のやりたい放題となる。
その典型が「ドミナント戦略」だ。
「ドミナント戦略」とは「高密度集中出店方式」の事だ。
とくにセブンが徹底しているがお店をパラパラと作らないないで一定地域の覇権を目指すというものだ。
だからセブンイレブンの売上の良い地域には新たにどんどんセブンイレブンが出現する。
セブンイレブンの最大のライバルがセブンイレブンになってしまっては本末転倒だ。
そもそも差別化のしようがない。
この「ドミナント戦略」がコンビニ飽和の元凶なのかもしれない。
とにかくコンビニの減少を急ぐ必要がある。