最近、「日本一早く最終列車が出る駅」という事で話題になっている駅がある。
それが「札沼線」にある「新十津川駅」だ。
「札沼線」は札幌駅から北東にある北海道樺戸郡新十津川町にある「新十津川駅」までを結ぶ路線で「学園都市線」という愛称もついている。
実はこの路線は途中の北海道医療大学駅から札幌駅まではそこそこのダイヤが組まれている。
この区間内にある「あいの里教育大学駅」に北海道教育大学などの学校があるためだ。
ちなみに駅名にある「あいの里教育大学」は存在しない。
札幌から学生が通学する「北海道医療大学駅」まで現実的な採算ラインというところだろう。
ところでこの「札沼線」の名前の由来は札幌駅から留萌本線の「石狩沼田駅」を結んでいたことに由来する。
1792年に赤字により新十津川駅から石狩沼田駅間が廃止になり、尻切れトンボ状態で線名の名前だけを残して営業が続いている。
ただ「北海道医療大学駅」から先は赤字が続いておりご多聞に漏れず廃止論議はやまない。
さて状況が確認できたところで時刻表を開いてみよう。
まず札幌駅から新十津川駅方面に向かう下り線を見てみる。
札幌駅から下る電車はすべて石狩当別駅止まりだが、朝の6時台、7時台は3本も走っている。
そこで石狩当別駅発新十津川駅行きを発見する。
7時45分に石狩当別駅を出発して9時28分新十津川駅に到着する。
この時間を覚えておいてほしい。
さてその後も下り電車を探すが「浦臼駅」止まりまであるが結局新十津川駅まで行く電車が無かった。
次に上り電車を見ても10時発の石川当別駅行きの一本のみなのだ。
つまり9時28分に新十津川駅に当着した車両がそのまま10時石川当別駅に折り返して終了なのだ。
これが「日本一早く最終列車が出る駅」と言われるゆえんだ。
例えば新十津川に住む人が純粋に札沼線のみで札幌まで往復しようとすると泊まりがけになる計算だ。
と机上の計算ではそうなるのだが、実はこの十津川駅は函館本線の滝川駅まで直線距離で3km程度しかない。
道なりにいっても4km程度なので鉄道を利用しようと思ったら皆さん滝川駅に向かうことになる。
そもそもこの路線は「石狩沼田駅」を目指すより函館本線という主要幹線の滝川駅を目指して作ったほうが良かったのではないかと思う。
でも「石狩沼田駅」に向かった理由はすぐわかった。
1970年代まで炭鉱があったからだ。
北海道はそんな路線が多い。
そして廃坑になると廃線へとつながっていく。
どうだろう?
また時刻表を開いてみたくなったのでないだろうか?