国連のグテレス事務総長は28日、ロシアの侵攻を受けるウクライナの首都キーウ(キエフ)でゼレンスキー大統領やクレバ外相と会談する。
26日のプーチン露大統領との会談では、ウクライナ南東部マリウポリからの民間人退避について一定の合意を得たが、早期に実現するかは確かでない。
一方でゼレンスキー氏はグテレス氏がウクライナ入りを後回しにした点を批判しており、国連による仲介の試みは難航しそうだ。
グテレス氏はプーチン氏との会談で、ロシア軍が包囲するマリウポリのアゾフスターリ製鉄所にとどまる民間人を退避させるため、国連と赤十字国際委員会(ICRC)が関与することで「原則的に」合意した。
具体的な計画は、国連人道問題調整事務所(OCHA)と露国防省が協議することになる。
国連のハク事務総長副報道官は27日の記者会見で、関係国から経験豊富な国連職員をウクライナに送ったとしつつ、「現時点では『原則的な』合意だ」と指摘。
避難が実現するかは今後のロシア側やウクライナ側との協議の結果次第だとの見方を示した。
ウクライナ入りしたグテレス氏はゼレンスキー氏との会談に先立ち、キーウ近郊のボロディアンカやブチャなどを訪問。
これらの街では占領していたロシア軍が撤収した後に、多くの民間人が虐殺された疑惑が発覚している。
英BBCによると、グテレス氏は「破壊された建物を見ていると『この中に自分の家族がいたら……』と想像してしまう」と語った。
グテレス氏はゼレンスキー氏に対し、2日前に会談したプーチン氏とのやり取りを伝え、早期の停戦実現を促すとみられる。
一方で、ウクライナ側はグテレス氏が先にロシアを訪れたことを巡り「戦争はウクライナで起きている。モスクワの街に死体はない。まずウクライナに来るのが筋だろう」(ゼレンスキー氏)と不満を漏らしてきた。
グテレス氏の取り組みが奏功するのかは見通せない状況だ。(毎日新聞)
ゼレンスキー大統領の言い分はもっともだ。
そもそも国連の常任理事国が戦争を起こす事自体が異常な行為だ。
日本をはじめ西側諸国は国連改革を進めたいところだが、その前に拒否権が立ちはだかる。
国連とはなんと微力な組織になってしまったのか?