ウクライナ侵攻後、ロシアのプーチン大統領が在籍した旧ソ連国家保安委員会(KGB)の後継機関、連邦保安局(FSB)内部で異変が生じているもようだ。
プーチン氏にウクライナ情勢を報告する立場にあったFSB幹部が自宅軟禁されたとの見方が浮上。
事実なら、戦況が思うように進まない「誤算」の責任を取らされた可能性が高い。
「侵攻から2週間。プーチン氏は第5局に対する弾圧を始めた」。
ロシア独立系メディアは12日、FSBに情報筋を持つ著名記者2人の話を基に伝えた。
「第5局」は主に国内を担当するFSBの対外情報部門の通称。
ソ連崩壊に伴うKGB解体で、対外情報局(SVR)などと分かれたが、第5局は旧ソ連構成国をロシアの勢力圏にとどめる役割を担ってきたとされる。
独立系メディアは「第5局は侵攻に先立ち、プーチン氏にウクライナの政治状況を報告する任務にあった。
第5局はリーダー(プーチン氏)を怒らせることを恐れ、聞き心地のいいことだけを報告したもようだ」と分析している。
事実、ロシア軍はウクライナで「電撃戦」どころか苦戦を強いられている。
東部での紛争と8年間も向き合ってきたウクライナ兵の士気は高く、住民も各地でロシア軍への抗議デモを繰り広げている。
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こうした想定し得るシナリオが、事前にプーチン氏の耳に届かなかった可能性もある。
米情報機関は8日、ロシア軍の推定死者数を「最大4000人」と公表。
中央情報局(CIA)のバーンズ長官は「プーチン氏はいら立ち、怒っている」と証言している。
このほか、FSBの「内部告発」とされる文書がインターネット上に流出。
真偽は不明だが、英紙タイムズが7日に紹介した。
「勝利の選択肢はなく、敗北のみだ」と暴露。
仮にウクライナを占領したとしても、統治に50万人以上の要員が必要だと指摘した。
また「前世紀初めを100%繰り返している」とし、日露戦争の敗北にもなぞらえた。
プーチン政権は一枚岩とされながら「不協和音」もささやかれている。
侵攻3日前の2月21日の安全保障会議で、SVRのナルイシキン長官が、ウクライナ東部の独立承認を求めるプーチン氏への返答に窮する場面がテレビで放映された。(時事通信)
ロシアにとって日露戦争の敗北はそれぐらい大きな出来事だったんだ。
でも今回、ロシアが受ける代償は日露戦争の比じゃない。
ロシア国民にその事が伝わらないのがもどかしい。