北海道新幹線が北海道南部の「新函館北斗駅」まで開業して来年の3月で丸6年になる。
開業年から赤字の連続。
2020年はコロナ問題も相まって140億円の赤字。
赤字がついに100億の大台に乗っかってしまった。
乗車率は2018年の記録で24%。2020年はたぶん20%を下回っているだろう。
まさに空気を運んでいる北海道新幹線。
2030年(予定)に札幌駅までの全線開業すれば明るい未来が待っているとは到底思えない。
それは良く言われる航空機との競合で引き合いに出される「4時間の壁」があるからだ。
現状、東京駅から札幌駅までの最短所用時間は5時間1分になると試算されている。
これではあきらかに航空路線に軍ばいがあがる。
ところが東京-札幌間とほぼ同距離(およそ1,200km)にある福岡市の博多駅には東海道・山陽・博多新幹線は東京駅からのぞみが約30往復走っている。
空路の羽田-福岡線は羽田-千歳線と並ぶドル箱路線だ。
就航数が多い航空路線と約30本ののぞみが共存できるところに福岡市の強さがある。
これが北海道新幹線には出来ないだろう。
その理由は簡単だ。
それは東海道・山陽新幹線の沿線にある大都市の多さだ。
横浜市、静岡市、浜松市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市、岡山市、広島市、北九州市などの政令指定都市の他にも、倉敷市、福山市、周南市(徳山市)など工業都市も集中している。
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東京駅から博多駅までフルでのぞみに乗車する人はかなり限定される。
しかしこれらの途中駅から乗車する乗客数がこのダイヤを成立させているのだ。
それでは北海道新幹線が東京駅から札幌駅まで全線開通した場合の中間の都市はいくつあるだろうか?
政令指定都市はさいたま市と仙台市のみ。
政令指定都市ではないが比較的大きい街とされる宇都宮駅に至っては最速タイプのはやぶさが現状、通過している状態だ。
ここに北海道新幹線の行く末を暗示している。
新幹線が点と点の移動の発想で勝負するなら航空路線に勝てるわけがない。
東海道・山陽・博多新幹線のように途中駅から乗客を拾う発想でいかないと北海道新幹線の未来は厳しいものになるだろう。
また往路は新幹線で帰路は航空路線のツアーを設定して、航空路線との共存を計るのも有りだ。
このまま行くと北海道新幹線は札幌駅まで全線が開業しても東京駅発札幌駅行きの最速タイプが一時間に一本走らないかもしれない。
鉄道ファンとして北海道新幹線を本当に危惧している。