1888年(明治21年)に明治政府は翌年の1889年(明治22年)4月1日を最初の市制施行日として36都市を指定した。
これは簡単に言えば明治維新後の日本国内の上位36大都市の選抜とも言える。
同年二月に指定されたのは東京、京都、大阪、堺、横浜、神戸、姫路、長崎、新潟、水戸、津、名古屋、静岡、仙台、盛岡、弘前、山形、米沢、秋田、福井、金沢、富山、高岡、松江、岡山、広島、赤間関(現下関)、和歌山、徳島、高松、松山、高知、福岡、久留米、熊本、鹿児島となる。
ほとんどが現在の県庁所在地だ。
堺、姫路、弘前、米沢、高岡、赤間関(下関)、久留米などは、県庁所在地にはなれなかったが、産業が発達しており人口集積が顕著だったことをうかがえる。
よく三重県の津市は四日市市との比較で人口が少ない事を揶揄される事が多いが、明治維新直後は三重県トップの都市だったわけだ。
ちなみに明治22年の人口ランキングが非常に興味深い。
第1位 東京市(約1390,000人)
第2位 大阪市(約476,000人)
第3位 京都市(約280,000人)
第4位 名古屋市(約163,000人)
第5位 神戸市(約136,000人)
第6位 横浜市(約122,000人)
第7位 金沢市(約94,000人)
第8位 仙台市(約90,000人)
第9位 広島市(約89,000人)
第10位 徳島市(約61,000人)
第6位の横浜市あたりまでは納得にいくところだが、金沢市と徳島市のベスト10入りは現在の人口から考えると少々意外かもしれない。
でも冷静に考えば金沢は加賀百万石の城下町だ。
明治維新直後であればおかしくない話だ。
現在の人口ランキングトップ10で入っていないのは札幌市と福岡市、そして川崎市とさいたま市となる。
特に札幌市と福岡市は明治以後、現在に至るまで人口が爆発的に伸びた事になる。
福岡市は今後、人口増加が見込める数少ない都市のひとつだ。
2045年には大阪市、名古屋市がマイナスに転じる中、プラス維持できる予測がでている。
都市の栄枯盛衰。
あなたの住む街は大丈夫だろうか?