鹿児島本線の起点は福岡県北九州市にある門司駅になる。
博多駅、熊本駅と経由して鹿児島県鹿児島市にある「鹿児島駅」が終点になる。(厳密には鹿児島本線は一部第三セクターの肥薩おれんじ鉄道が運行している)
また日豊本線の起点は福岡県北九州市にある小倉駅だ。
大分駅、宮崎駅と経由してこちらも鹿児島駅が終点となる。
鹿児島駅は二本の本線の終着駅という青森駅のような存在に感じる。
そう一見すると鹿児島駅は鹿児島市の中心駅のイメージだが現実には違うのだ。
鹿児島本線の「伊集院駅」に時刻表を見ると下りはそのほとんどが鹿児島駅のひとつ手前の鹿児島中央駅行きになっている。
鹿児島中央駅を超えて鹿児島駅まで行く電車は僅かしかない。
それでは逆に日豊本線の国分駅の時刻表を見てみる。
そのほとんどは鹿児島駅を超えて鹿児島中央駅行きばかりだ。
そう鹿児島市内の中央駅は鹿児島駅ではなく鹿児島中央駅なのだ。
往年の寝台特急はやぶさの終点は「西鹿児島駅」だった。
九州新幹線が開業するまで鹿児島中央駅は西鹿児島駅と呼ばれていた。
現在の鹿児島駅は街の北東にあり戦後、街の中心駅はこの西鹿児島駅にとって代わられた。
現在でも日豊本線の特急「きりしま」は停車をしているが、かなりこじんまりとしたイメージのローカルな駅になっている。
2019年JR九州のデータによると鹿児島中央駅の乗降客数は20,271人でJR九州管内第三位だ。
ちなみに鹿児島駅の乗降客数は1,600人でJR九州管内第117位だ。
鹿児島中央駅には新幹線が停まるというアドバンテージがあるにしても鹿児島駅はかなり水を開けられてしまった格好だ。
同じように中央駅が苦戦している街がある。
兵庫県にある神戸市にも「神戸駅」は存在するが、この街の実質的な中央駅は「三ノ宮駅」だ。
三ノ宮駅にはすべてのスーパーはくとと特急はまかぜが停車するのに対し、神戸駅には特急はまかぜは停車するがスーパーはくとが僅か一本しか停車しない。
また2019年JR西日本管内の乗降客数を見ても三ノ宮駅が125,134人でJR西日本管内5位なのに対して、神戸駅72,517人で8位となっている。
ただ鹿児島市と違って神戸市は京阪神地区なので乗降客のパイはもともとが大きい。
神戸駅の数字は決して恥ずかしい数字ではない。
とはいえ神戸駅を名乗る以上は復権を望みたいところだろう。