北海道新幹線が「新函館北斗駅」まで開業して丸4年が経った。
新型コロナウイルス騒動が起きる前の今年の1月の一日あたりの平均乗車人数はおよそ5,000人。
乗車率が25%とガラガラ状態で北の大地を走っている。
なんと毎年100億円の赤字を生んでいるのだ。
赤字経営に苦しむJR北海道の更なるお荷物になっている。
2029年札幌駅まで全線開業すれば明るい未来が待っているとは到底思えない。
JR北海道側は乗車率低迷の原因は2018年に起きた北海道胆振東部地震による影響としている。
また俗にいう「4時間の壁」を僅かながら切ってきた事で好転するとしている。
でもこれをまともに信じているとしたら相当、能天気だろう。
そう北海道新幹線には今後もいばらの道が待っている。
東京-札幌間とほぼ同距離(およそ1200km)である福岡市の博多駅に至る東海道・山陽・博多新幹線は東京駅からのぞみが30本以上設定されている。
空路の羽田-福岡線といえば羽田-千歳線と並ぶ空路のドル箱路線だ。
就航数が多い航空路線と30本の以上のぞみが共存できるところに東海道・山陽・博多新幹線の強さがある。
その強さの理由は中間にある大都市が多さだ。
横浜市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市、広島市、北九州市などの政令指定都市の他にも浜松市、福山市、周南市(徳山駅)など工業都市も多数存在しているからだ。
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東京駅から博多駅までのぞみが向かう人はかなり限定される。
途中駅からの乗車する客数がこのダイヤを成立させているわけだ。
それでは北海道新幹線が東京駅から札幌駅まで繋がった場合の途中の大都市はいったいいくつあるだろうか?
政令指定都市はさいたま市と仙台市のみ。
政令指定都市ではないが残りの都市の中で比較的大きめに感じる宇都宮駅に至ってはスピードを優先させるために現状、最速タイプのはやぶさは通過している状態なのだ。
4時間の壁を意識するのは理解できる。
でも新幹線を点と点の移動の発想で走らせても飛行機に勝てるわけがない。
東海道・山陽・博多新幹線のように途中の駅から客を拾って席を埋める発想がないと厳しいだろう。
ただ正直なところその途中駅からの乗車もあまり期待できないのも事実だ。
このまま行くと北海道新幹線が札幌延伸後に東京駅発札幌駅行きの最速タイプが一時間に一本に走らない可能性もある。
往路は新幹線で帰路は空路など競合との共存を図るなど模索が必要になるだろう。