「100均」の人気が衰えない。
デフレを助長しているという意見も多いがショッピングモールには必須の業態になっている。
答えは簡単だ。
集客に寄与してくれるからだ。
実をいうとこれだけ人気の100均でも百貨店がテナントに入れる事はなかった。
富裕層を相手に商売する百貨店には不釣り合いという発想からだろう。
ところが数年前に地方の百貨店に100均が出店して話題になった。
集客のための苦肉の策だろう。
100均の勢いというよりも百貨店の衰退を象徴するような出来事だった。
一般的に百貨店はその周辺地域の商圏に住む数%の富裕層を狙っていると言われている。
その富裕層が100円均のテナント出店にどんな反応を見せるかは興味深いところだ。
最近の百貨店にはポジティブな話がない。
店舗を閉鎖させる話ばかりだ。
三大都市圏の百貨店で100均をテナントに入れる話が出てきたら百貨店もいよいよかもしれない。
日本人は不思議な民族だと思う。
ルイヴィトンなどのブランドバッグ購入した後に100均で買物が出来る。
買物に関する店の線引きがしっかりとできているのだ。
対価に見合う商品にはお金を出す。
しかしどこでも売っている汎用品は少しでも安く購入しようとする。
その代表が100均なのだろう。
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かくいう自分も100均には時々買い物に行く。
でも購入するものといえば最終的に捨てる事になる「消耗品」のみだ。
以前はその商品の安さに驚いて土鍋や文房具を買ったが最終的に購入する物は「消耗品」のみに落ち着いてしまった。
商品の企画立案に携わった事がある方ならおわかりだと思うが、メーカーのレベルでは商品の製造原価は小売販売価格の3割程度に押さえる必要がある。
そうしないと利益が出ないからだ。
つまり100均の商品原価は高くても「30円」という事になる。
誤解のないように。
ここでいう商品原価とは店の仕入価格の事ではない。
100円均で売られている商品のそのほとんどが中国製と言われている。
このところ物価が上昇してきた中国で30円でいったい何が作れるだろう?
だから自分は「消耗品」以外にはその価値が期待できない思ってしまうのだ。
確かに商品によっては集客用の薄利な物もあるだろう。
すべてがすべて30円とはいわない。
商品に対する価値観は十人十色。
自分は100均を否定するつもりは毛頭ない。
納得した人だけが買物をすれば良いだけの話だ。