「幸せの黄色いハンカチ」という映画を覚えているだろうか?
高倉健、桃井かおり、武田鉄矢の三人が北海道を車で旅するストーリーだ。
刑務所を出所した高倉健が元妻の家に訪れる。
歓迎してくれるなら黄色いハンカチを出しておくというものだ。
感動のラストシーンが今でも瞼に残っているシニアの方も多いだろう。
黄色には幸福とか楽しいといったイメージがついてまわる。
また風水においても「運気アップ」の良いカラーである。
ところで新聞の折り込みチラシを見ていると「幸せの黄色い財布」の類のものを時々見かけないだろうか?
厚手の紙にフルカラー印刷で非常に豪華な仕上がりのチラシだ。
売り物である長財布はポケットも多く重宝しそうだ。
ただ価格は2万円とノンブランドの割には少々高い気もする。
こんな財布を誰が買うのかなとほとんどの人が思うはずだ。
ところがこの手の商品を売り出すと本当に僅かだが反応があるらしい。
比率にしても数パーセント以下。
仮に10万枚折り込みチラシをばら撒いても数百人程度だろうが確かに購入する人がいる。
これだけ豪華なチラシ新聞でばら撒けばそれなりの広告宣伝費がかかる。
果たして数百個の販売でこの商売はペイするのか?
実はペイするだ。
そのからくりを説明しよう。
実はこの商売を仕掛けた業者は今回の財布の販売で利益を出そうとは思っていないのだ。
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実は彼らが高額な広告宣伝費を投じて手に入れたかったのは「縁起を担ぐ商品に反応する顧客リスト」だったのだ。
縁起を担ぐ商品が好きな人はその商品を購入するために多少の出費にこだわらない。
つまりこの業者は次回以降、利益率の高い他の商品を準備する。
新聞広告などの高額な広告媒体は使わずにダイレクトメールでこの顧客リストに案内する。
これはかなり確立で販売成約が期待できる。
何故ならこの顧客リストの客は縁起を担ぐ商品が欲しくてたまらない人達だからだ。
まさに「損して得をとれ」。
一見、遠回りに見える商売だがターゲットを絞りまくり効率よく販売していく。
非常に理にかなっている商売の手法だ。
実はこの手法は現代のネットマーケティングに応用されている。
例えば釣りのサイトを見ている時間が長い方には釣り関係の広告ばかりが出てくることはないだろうか?
これはインタレストマッチ広告と言われるものだ。
過去の履歴からユーザーの興味ある分野の広告を配信する。
そうあなたは知らない間にマーケティングをされているのだ。
間違っても家族が共有するパソコンでアダルトサイトばかりを見ていてはいけない。