近頃はちょっとした地方都市の駅前にも「タワマン」がある。
タワマンとはもちろん「タワーマンション」のことだ。
タワーマンションの定義をご存じだろうか?
実をいうとタワーマンションの厳密な定義は無いが概ね58mの高さを超えるマンションをタワーマンションと呼ばれている。
58mというと階数にしておよそ20階。
タワマンはもちろん高層階に人気が集中していて高層階から埋まっていく。
それは確かに頷ける。
タワマンの低層階に住むので意味がないからだ。
ところで東京都内や神奈川県にお住まいの方に今一番住みたい街を聞くのと必ず上位に来ていた駅がある。
それが武蔵小杉駅だ。
武蔵小杉駅はJR東日本の南武線、横須賀線、湘南新宿ラインが乗り入れている。
また東急電鉄が東横線と目黒線を乗り入れている。
東京駅にも新宿駅にも渋谷駅にも横浜駅にも便利なのが武蔵小杉駅の人気の秘密だ。
ところがこのところ、武蔵小杉はトラブル続きだ。
昨年秋の台風によるタワマンの浸水騒動は記憶に新しいところだろう。
それ以前にも朝のラッシュアワー時間帯の改札渋滞が問題になっている。
その問題の根源はそのタワマンにあると言われている。
タワマンが人口過密を生むことは誰でも容易に想像できる。
狭い空間に縦に階層が重なれば人口密度が増えるのは至極当たり前の話だ。
とにかくエレベーターが来ない。
来ても満員で乗れないので乗り過ごす。
朝の急いでいる時間であれば尚更ストレスがたまりそうな話だ。
まさに武蔵小杉の憂鬱。
またこれは武蔵小杉に限った話ではないがタワマンにはこの人口過密問題の他にもっと深刻な問題が潜んでいるという。
マンションにお住まいの方ならご存じだと思うが、マンションは15年程度に一回「大規模修繕」が必要になる。
大規模修繕とは外装の修復や給排水設備のメンテナンスなどがメインとなる。
通常は管理組合がこのために「修繕積立金」をプールして管理する事になる。
タワマンの大規模修繕はその高さゆえに費用が非常に高額になると言われている。
一般的な低層階マンションの二倍以上になるとか。
比較的富裕層の多いタワマン居住者だが居住者全員が未来永劫、安定的に管理費を払っていけるとは到底思えない。
管理費未納が増えると払える人達で補填をしていかないといけない。
これはかなりリスキーともいえる。
武蔵小杉をはじめ全国のタワマンは時限爆弾をかかえているようなものなのだ。
武蔵小杉の憂鬱は全国の憂鬱でもある。