「イオンの空白地帯」の県があるのはご存じだろうか?
日本全国どこに行っても大型のショッピングモールがあるイオンが今どきない県があるとは到底、信じられない。
一般的に流通業の出店が後回しなると言われている山陰地方の鳥取県や島根県でもない。
それでは本土から離れているイメージのある沖縄県か?
いえいえ沖縄県はかなり早い時期(1999年)に出店を終えている。
その答えを出す前にあなたはイオンの存在を不思議に思ったことはないだろうか?
ほとんどの人が気が付いたらセブン&iホールディングスとイオンが二大流通業になっていた。
というイメージだろう。
実を言うとイオンはこの20年でもっとも大化けした流通業だからだ。
イオンの前身はジャスコ(Japan United Stores COmpanyの頭文字から社名となっている)というスーパーだ。
ジャスコは1970年に三重県の「岡田屋」と兵庫県の「フタギ」、大阪府の「シロ」の三社が共同出資で設立した共同仕入れ会社である。
ジャスコはアメリカのモータリゼーション社会が将来、日本にも来ると読み郊外型出店を進める。
また地方の百貨店などとM&A(企業合併や買収)を繰り返して徐々にその規模を拡大していく。
当時の大手量販店の中では4~5番手だったが、2011年にはマイカルを買収し、2015年には業界のトップであったダイエーまでも傘下に収めることになる。
この段階で量販店の三位だった西友を抜いてセブン&iホールディングスと二大流通業と呼ばれるようになった。
たぶんほとんどの方がこのタイミングあたりでイオンを知る事になったのではないだろうか?
イオンの拡大は前述のM&Aが大きな要因になっている。
イオンの組織の管理能力が高く評価される由縁でもある。
逆にセブン&iホールディングスはM&Aをあまり好まない。
そんな社風文化の中に西武とそごうが傘下に入った時は非常に驚いた。
たぶん政治的な後押しがあったのではないかと思っている。
さて本題に戻ろう。
「イオンの空白地帯」とは何県なのか?
ズバリそれは「福井県」なのだ。
実をいうと以前、福井市には「ジャスコ福井ピア店」が存在していた。
ところが2003年にイオンが撤退した時にその商業施設が放置されたまま廃墟になってしまった事がある。
それ以来、福井県内でイオンの出店計画が挙がっても地元の反対でとん挫したという。
この手の話は結構多く、大きな商圏を持つのに何故かイオンがない栃木県の宇都宮市。
またセブンイレブンの青森県出店が何故か大幅に遅れたなど話題に事かかない。
地元との交渉にも政治力が働くのだろう。
イオンの空白地帯は意外や福井県だった。