人間という動物は他人からどう見られているかを非常に気にする様だ。
特に女性は尚更だろう。
朝のゴミ出しにスッピンのまま出ていくのも躊躇されるのだ。
自分も含めて人はなぜ故にもこんなに他人の目を気にするか?
それは「見た目9割」という五文字のことわざが端的にすべてを物語っていると思う。
つまりどんなに優秀であろうと見た目でその人のイメージは90%決めつけられてしまうからだ。
だから一期一会の本日限りの出会いの際にはそのイメージを覆すのは容易な事ではない。
学生時代にお互いに「見た目九割」で距離を置いていた友人とある日を境に急に親しくなった事がある。
もっと早い時期から話をしておけば良かったと後悔したことがある。
人間が見た目で判断されるのは本当に良くない事だ。
話をしてみないとその本質はまずわからない。
自分が営業職の頃はとにかく身なりに気をつけていた。
それはビジネスの世界には最低限の基準があるからだ。
特に新規開拓の場面では初対面の数十分ですべてが決まってしまう。
先方に少しでも不快感を与えてしまったら今後のビジネスの大きな障害になりかねない。
容姿に自信がなかった自分が一番にこだわっていたのはとにかく清潔感 だった。
これは男女間の関係構築においても重要なファクターになりうると思う。
だからハンカチは絶えず持ち歩いていた。
さて女性にとって「見た目九割」という意識は男性のそれとはかなり深刻度が違うような気がする。
何故なら女性は男性からの視線もさることながら同性である女性からの視線も絶えず意識しないといけないからだ。
そう女性は他の女性を絶えず観察している。
その状況を理解しやすいのが男性誌と女性誌の表紙を飾る芸能人やモデルだ。
男性誌の表紙を飾るのは概ね女性アイドルや女優達だ。
しかし女性誌の表紙を飾るのは女性モデルや女優達だ。
女性は同性からの視線に絶えず晒されているのだ。
誤解を恐れずに言えば美人や美男子に生まれた人達は逆差別されてきたわけだ。
入社試験において同じ学力程度、同じ器量なら見た目で判断されるのは本当だろう。
それでは見た目に恵まれていない人達は一期一会の一発勝負にどうすれば良いのか?
それはお笑い芸人のような掴みのテクニックを得るしかないだろう。
ただ初めて会った人を瞬時に笑わせる事は至難の業とも言えるが。