昨年来からの韓国の日本に対する外交は目に余るものがある。
このところ多少落ち着いた感があるが、慰安婦や徴用工裁判問題については何も進展していない。
そして今回は日産自動車の元会長であるカルロスゴーン氏の不正出国でまたしても新たな外交問題が起きようとしている。
レバノンに関しては日本政府がまだ公式な声明を出していない。
しかし大方の見方としてはカルロスゴーン氏の引き渡しは無いだろう。
レバノン政府側として今回の一件に関しては関与していないというスタンスだ。
ただ出国記録がない人間を受け入れている時点で関与していると思うのだが自国民保護という考え方なのだろう。
日本側は国際刑事警察機構(ICPO)に要請して身柄拘束を求めている。
しかしレバノンと日本は犯罪人引き渡し条約を結んでいないのでレバノン側が引き渡す可能性は限りなく低いのだ。
つまり最終的に日本政府は「遺憾砲」を出す事になるだろう。
日本政府は外交面でのトラブルがあると必ずこの「遺憾砲」を出してくる。
国民は正直、聞き飽きている。
そもそもこの「遺憾」の本来の意味をご存じだろうか?
この「遺憾」には「謝罪」的な意味や「怒り」の意味はなく「期待した結果がでなくて残念だ」というのが本来の意味だ。
この言葉の裏には「こちらも非常に残念だからそちらで善処して欲しい」という何とも日本的で曖昧な意味合いを含んでいる。
果たしてこの何とも情緒的なニュアンスが外国人に伝わるかが甚だ疑問だ。
日本語は良くも悪くも直接的な表現を避けるところがある。
もっと怒りの度合を表現できる言葉に変更する必要があるのではないだろうか?
ところで「遺憾」を英語でいうと何と表現されるのだろうか?
日本語の意味合いから推測すると「unsatisfactory(不満足な)」とか「regrettable(残念な)」なあたりが一番近いのかもしれない。
要は通訳の判断によっては非常にソフトな意味合いになる可能性があるのだ。
確かに外交の場での通訳はトラブル防止のために極端な表現は避ける様だ。
ただ先方にこちらの意図が伝わらなくては本末転倒だ。
中東ではまたキナ臭くなってきた。
現状、レバノンへの対応も難しいのも事実。
ただそれでも「遺憾砲」ばかりを使っていると国際的にも舐められてしまう。
日本政府はTPOを考慮しながら必要な時には強気にでる姿勢を望みたい。