最近、チャラい系のお笑い芸人が人気があるようだ。
「EXIT(イクジット)」という漫才師だがシニアの皆さんはご存じだろうか?
この二人が漫才の中で「あざまる水産」という言葉を使う。
たぶん多くのシニアの方はこの言葉の意味も不明だろう。
「あざまる水産」とはいったい何を意味しているのか?
「あざまる水産」の「水産」という響きから漁業関係の言葉と思われるかもしれないがそれは違う。
「水産」という言葉から居酒屋をイメージした人は観察力がある人もしくは酒好きのどちらかだ。
この「水産」の語源は凄い勢いで関東、愛知、近畿圏で店舗網を拡大している居酒屋チェーンの「磯丸水産」に由来している。
新鮮な海鮮料理が売りで24時間営業の店舗が多く朝から飲める店としも有名である。
問題はその手前にある「あざまる」だ。
「あざまる」とはいったい何を意味しているか?
答えから先に言ってしまうと言葉の語源は「ありがとうございます」だ。
意外だがこの「あざまる水産」とは感謝の意味だったのだ。
それではその言葉の変化の流れをシニアの方にも理解しやすい様に説明していこう。
体育会系男子に多いが「ありがとうございます。」を「あざっす。」と縮めて使う事は聞いたことがあるだろ。
さらに縮めて「っ」が抜けて「あざす。」になる。
更に「す」が抜けて「あざ。」となって完成なのである。
お気づきだろうか?
最後の句読点の「。」を「まる」と読ませて「あざまる」の最終形となっている。
句読点の「。」を「まる」と読ませるあたり考えた人を天晴(あっぱれ)と思う。
そして「まる」の響きに前述の「磯丸水産」の「水産」と結びついたというわけだ。
ではこの「あざまる水産」なる言葉はどのように使えば良いのか?
そんなに難しい話ではない。
単純に「有り難う」の変わりに使えば良い。
「プレゼントあざまる水産」といった具合だ。
ところでこのように前半に元々の意味があり後半を語呂で他の言葉と結ぶ造語は多い。
「了解道中膝栗毛(りょうかいどうちゅうひざくりげ)」なんていう言葉もある。
後半が十返舎一九の「東海道中膝栗毛」なっているなんてなかなか文学的はでないか?
そういえば自分達も「てなもんや三度笠」の「あたり前田のクラッカー」を多用した。
また自分は「飛んでも八分歩いて十分」なんて言葉も結構使っていた。
場がなごむウィット感に飛んだ素晴らしい言葉だと思う。
言葉は時代を映す鏡と言われている。
若者の言葉だからといってただ否定するのではなくその背景や語源を理解するのも悪くないと思う。
あざまる水産とは理解できただろうか?