先日、コンビニ大手のセブンイレブンが深夜休業を実質的に容認する方針を示した。
他社も追随が予想されるがその背景にあるのはやはり人手不足だ。
深夜にアルバイトが集まらなければオーナー自らレジに立たざるを得ない。
多くのオーナーはそのそこの年齢に達しているので連夜のシフト参加はあまりにも酷だろう。
そもそも日本の人手不足が叫ばれて久しい。
少子化、高齢化が進んでいるとはいえ労働者人口が急激に減っているとも思えない。
最近、特に人手不足が深刻な業界は東京オリンピックを控えて活況を呈している建設業界。
またドライバー不足に悲鳴をあげている運送業界。
ホテルや旅館などサービス業でも広範囲の分野で人手が不足している。
日本の人手不足の原因は何だろうか?
その答えは今朝の求人広告にあった。
求人広告を見ても「正社員」の求人はほとんど見当たらない。
運送業界のドライバー募集で「正社員」の求人があった程度だ。
人手不足を言いながらも必要としている人材はかなりは限定される。
パートやアルバイトそして「派遣社員」や「契約社員」と呼ばれる非正規雇用の求人が中心なのだ。
例えば先ほど五輪前に活況を呈していると言っていた建設業界の人手不足もまもなく終わるだろう。
五輪関係の施設が完成を迎えているからだ。
そうなると雇用状況は一気に悪化するだろう。
だからどの業界も非正規雇用の労働力は欲しくても正社員の労働力確保には二の足を踏む事になる。
2015年に施行された「改正労働者派遣法」が今年の9月30日に丸4年になる。
「改正労働者派遣法」では派遣社員の派遣先(労働する側の会社)への受入れを3年と限定した。
つまり派遣先の企業は3年を超えたら「直接雇用」の義務が生じるというわけだ。
人件費を圧縮するために派遣社員を委託している派遣先企業がこの条件を飲む事はない。
結局、派遣労働者には3つ選択肢が残る。
ひとつは派遣元に新しい受入れ企業を紹介してもらう事。
ひとつは派遣元企業において「無期雇用」をさせてもらう事。
最後のひとつがかなり曖昧だが、「その他で安定した雇用の継続が認められる措置」というもの。
選択肢は3つあるように見えるが結局、他の企業を紹介してもらい2年10ヶ月あたりでまた同じ選択をする事の繰り返しになる。
派遣社員の救済のために国が施行した法律が結局派遣社員の首を絞めることになっている。
役人の仕事なんてこんなものだ。
日本の人手不足の原因は国そのものなのかもしれない。