池袋で高齢者ドライバーによる悲惨な事故が起きたのが4月19日だ。
まもなく三か月が過ぎようとしている。
しかしその後も高齢者による事故のニュースが後を絶たない。
多くの加害者ドライバーののいいわけが「アクセルとブレーキの踏み間違い」という事だ。
もういい加減聞き飽きた。
東京都の小池知事はアクセルとブレーキの踏み間違いの防止装置を車に付ける高齢者に費用を9割を補助するとした。
腰の重い行政がそれも国でなく東京都が動いた。
国を決定を待っていたら新たな犠牲者を増やしてしまうと判断したのかもしれない。
さてここで対象となる高齢者は「都内在住の70歳以上」となっている。
日本には現在、75歳以上のドライバーが約530万人もいる。
また75歳以上のドライバーが起因する死亡事故の構成比が12.8%にもなっている。
要は8回に1回は高齢者が死亡事故の原因または被害者になっているのだ。
高齢者の交通事故が相次ぐと「高齢者の免許返納」論議がでてくる。
ただ前述にように政府も簡単に答えを出せるような問題ではないのだ。
日本でもっとも交通の利便性の良い東京都を基準にするわけにはいかない。
むしろ車がないと生活が成り立たない過疎地を基準に免許返納の基準を考える必要がある。
当面は東京都のように踏み間違いの防止装置に補助をつけて導入を推進するしかないだろう。
ただここで免許返納に関しては論議だけは継続しておくべきだと思う。
個人の適性や運動神経を無視して十羽一絡げで年齢で区切るのは人権侵害も甚だしいと思うが、そこまで事態は切迫していると思う。
東京都の踏み間違いの防止装置の補助対象年齢が70歳だ。
免許返納の年齢はこの70歳がひとつの基準になっていくかもしれない。
人権侵害といえばもう一点。
日本の憲法では「居住移転の自由」が認められている。
若い頃は僻地や山の上に住むのはそれは個人の自由だと思う。
ただある程度の年齢で一人暮らしの状態になっているのなら医療施設も整うある程度の市街地に移転してもらうのはどうだろうか?
もちろん住宅は自治体のほうで準備する。
民生委員の派遣や救急車などの行政サービスもそろそろ限界を迎えている。
これは立法化や条例の整備が大変だと思うが人口減少が続く日本では避けて通れない問題のような気がする。
免許返納は遠い未来の話ではない。
思ったより早くその日は来るかもしれない。