親族にまた一人結婚話がでている。
晩婚化が進む日本においては喜ばしいことである。
むしろ皆が早いとこ結婚して少子化問題の日本のためにもバンバン子供を作って欲しいところだ。
ところが昨今の日本ではそんな事を女性の前で言おうものならハラスメント的なニュアンスに受け止められてしまう。
口は災いの元。
昔と違ってすぐ口に出すのではなく一回頭の中で良く確認してから口にしないといけない。
特にある程度の年齢になっても独身の女性にも注意が必要だ。
男女ともそうらしいが晩婚になればなるほどパートナーに求めるハードルは高くなるらしい。
「ハードルを落としてみては?」なんて事は本人の前でまず口にしない方が良いだろう。
日本は中国と違って男女の比率はそれほど歪ではない。
ところが晩婚になると需要と供給は著しくバランスが崩れていくのが不思議だ。
さてそうなると最後は神頼みということになるのだろう。
最近では「縁結びの神様」として有名な出雲大社への若い女性のお参りが増えているという。
さてその神頼みだが日本人は結婚だけではなく「学業成就」や「安産祈願」など「縁起が良い商品」には本当に弱い。
自分など正月程度の話だが一年365日を縁起に振り回されている人がいる。
こういう方達は生活の中に縁起が入りこんでいるのだ。
車のナンバーに縁起を担ぐ人もいる。
実はこの「縁起を担ぐ人達」はひとつのマーケットになっていると言う。
それも結構、安定的なマーケットらしい。
新聞チラシの中に「金が貯まる財布」という類いの広告を見た事ないだろうか?
他のチラシに比べて厚手の紙にフルカラー印刷。
金色を多用して本当に豪華な仕上がりになっている。
肝心の財布はお札を折り曲げていれない長財布タイプ。
風水的が好きな人には堪らない黄色のデザインだ。
価格は1万円という強気の設定。
多くの人がいったい誰が買うのだろうと疑問に思うはずだ。
そこでこの商売の仕組みを説明しよう。
この手の商品の広告をばら撒くと僅かに「縁起を担ぐ人」がこの商品を購入する。
もちろん僅かな売上だからこの商売では広告宣伝費で赤字になってしまう。
実をいうとこの業者は今回の商売で利益を出そうとは考えてはいないのだ。
この業者が欲しかったのは「縁起を担ぐ商品に購入する顧客リスト」だ。
「縁起を担ぐ人」はこの手の商品に敏感に反応する。
この業者はこの顧客に次回は利益率の高い商品をコストの安いダイレクトメールで案内する。
何しろこのリストにのっている客は「縁起を担ぐ商品」が大好きだ。
かなりの成約率が期待できる商売になるといわけだ。
「損して得を取れ」。
商売とは奥の深い仕事だと思う。