イギリスのEU離脱期限が更に延長され今年の10月31日でEUで合意された。
何かはたから見ているとイギリスが勢いでEU離脱を宣言してから国内は右往左往の状態にも見える。
今のイギリス議会の様子では、今年の10月31日も怪しく思えてくる。
では仮にイギリスが国内の調整をクリアして合意あり離脱にこぎ着けた後はどうなるだろうか?
イギリス国内に本社を置く日本企業を含む海外企業の欧州本社機能はフランスやドイツに移転される事はこの話が出た時から危惧されている。
北アイルランドの国境問題も再燃する事になるだろう。
イギリス経済はかなりの痛みを伴うことになるかもしれない。
というのも現在のイギリスの主要産業は「金融」以外にこれといった産業がないからだ。
アメリカのバックアップもあるだろう。
日本もTPP経済圏への参入を呼びかけるだろうがダメージが暫く続く事になる。
では何故ゆえにこれだけの痛みが予想されるのにEU離脱にこだわるのか?
その背景にはやはりEUの弱体化があるのではないかと思っている。
その代表格ともいえるのがドイツ銀行の破綻危機だ。
ドイツ銀行は国営銀行ではなく一民間銀行で日本のメガバンクのような存在。
ドイツ銀行は「デリバティブ」という金融派生商品を大量に売っている。
「デリバティブ」とは「賭博のような金融商品」でありこの破綻がドイツ経済破綻のトリガーになりかねないのだ。
ドイツ経済破綻イコールユーロ圏の経済破綻でもある。
ドイツ銀行がもし破綻するとその負債額は7500兆円超とされていている(厳密には数字が把握できていないようだが)
つまり「サブプライムローン」というこれまた金融派生商品で破綻したリーマンショックを超える危機がそこまで来ているのだ。
そして今回のルノーによる日産の経営統合問題。
ルノーのバックにはもちろんフランス政府の存在があるがなにかあまりにも必死になっていないだろうか?
現在のEUをけん引しているこのドイツとフランスが経済的にかなり追い込まれているのだ。
幸いなことにイギリスはEU参入の際にドルの前の世界基軸通貨であったポンドを捨てなかった。
そうイギリスには自国通貨の発行権が残っているのだ。
むしろイギリス無き後のEUのユーロの為替相場が気になるのは自分だけだろうか?