自分が学生の頃はいわゆる「合コン」が全盛の時期だった。
メンバーが足りないと聞くと勇んで参加しに行った記憶がある。
そう意味においては自分らが若い頃は今でいうところの「肉食系」が多かったような気がする。
といっても女性側も積極的に参加してくることにおいては単なる「草食系」ではなかったように思われる。
つまり当時は男性も女性もそのような飲み会が好きだったというわけだ。
その合コンで思ったのは人はやっぱり「見た目9割」という事だ。
女性の中でも一番輝いている人に人気が集中する。
男性もこいつが本命だろうと思われる人に人気が集中する。
とかく人間は他人からどう見られているかを非常に気にする動物だ。
特に女性は気にしている。
合コン前の化粧には相当な時間がかかるのではないだろうか?
つまるところそれは「見た目九割」という五文字にすべて集約されている。
要は見た目でその人のイメージは90%決められてしまうのだ。
つまるところ合コンは今夜限りの一期一会だ。
でもさしてぱっとしない自分にはある特技があった。
それは多少お酒が強かった事。
そして合コン用にストックしておいたネタを持っていた事だ。
皆さんお酒が入ってエンジンがかかりだした頃に準備しておいたネタで笑いを取っていくのだ。
気がつけば一番人気の男子が酔いつぶれて寝ている。
「9対1」の試合をひっくり返すにはこれしか方法がないだろう。
ちなみにこの作戦で彼女ができたかはあなたのご想像にお任せする。
ところで社会人になってからも「見た目九割」は痛切に感じた。
営業の仕事をしていたのでとにかく身なりに気をつけた。
ビジネスの世界では皆がその基準を守っているからだ。
特に新規のお客様は初対面がすべてだ。
不快感を与えないように細心の注意を払った。
容姿に自信がなかった自分が一番にこだわったのは清潔感だ。
これは合コンでも意識していた事だ。
「見た目」を構成するのは「清潔感」が重要な要因になるからだ。
たえずハンカチを持ち歩く。
商談前には必ずトイレに入って身なりをチェックする。
特に商談相手が女性の場合もあるからだ。
ビジネスとはそれだけ気を使って普通なのかもしれない。
商談が決まって同僚と居酒屋に繰り出して一杯やる。
今まで苦労が報われる時間だ。
ふとトイレに行って鏡を見た。
そこには羽目を外した酔っ払いの自分がいる。
自分が女性だったらこの男性とは絶対に付き合わないだろう。
やっぱり人は「見た目9割」だ。